第18話 全ては俺の手の中で
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レン艦隊もそれに続こうとした……その時。
「右方向に艦影、数…およそ30000!」
「30000隻!?」
「敵の艦影に、ヴィルヘルミナ級戦艦フェルゼンを確認」
「フェルゼンだと!? ということは、あれはグスタフ・フォン・ナトルプ上級大将の艦隊か。ならば、敵2個艦隊のもう片方はドロッセルマイヤー中将だな。彼は確かナトルプ上級大将の教え子だったはずだ」
「しかし、今になって何故………」
「おそらく、リッテンハイム候は囮だったのだろう。確実に我々を仕留めるためのな」
「…………」
「だが、簡単にやられてやるわけにもいかん。現時点では数において劣っているが、キルヒアイス中将が戻られれば数の差は逆転する。敵もおそらくそれは分かっていよう。短期決戦で来るはずだ」
・・・・・
「ドロッセルマイヤー、ルッツ艦隊を足止めしておいてくれ。私はワーレン艦隊を攻撃する」
「はっ、了解しました」
「ファイエル」
戦況は最初からルッツ、ワーレン艦隊に不利であった。
艦数は、彼らが各13000隻であるのに対し、ナトルプ、ドロッセルマイヤー艦隊は各15000隻と数の上で劣っており、しかもリッテンハイム侯の軍と一戦交えた後である。
しかも、相手は名将グスタフ・フォン・ナトルプである。
ミュッケンベルガーやメルカッツと同等の戦歴を誇り、腕も確かな歴戦の強者だ。
ラインハルトがいなければ、ミュッケンベルガー元帥の後任として宇宙艦隊司令長官に就任していたのではないかと噂されるほどであり、その長い戦歴の中で培われた手腕は、未だルッツやワーレンの及ぶところでは無い。
「よし、ハプスブルク大公から預かったこの新兵器を試してみるとしよう。ゲルマン砲、発射用意」
ゲルマン砲は、ハプスブルク領で建造されているとある艦の主砲の試作砲である。
移動用に推進装置が付けてあり、ある意味砲艦と呼ぶこともできるだろう。
その威力はハプスブルク大公も太鼓判を押しているほどなのだが、一撃放つと砲自体も吹き飛んでバラバラになってしまう欠点があった。
「照準、ワーレン艦隊中央。撃てぇー!」
ゲルマン砲から放たれたビームはワーレン艦隊を貫き、大きな打撃を与えた。
しかも、直後にナトルプ艦隊が急襲してきたことも混乱を助長させ、ワーレン艦隊は一方的に叩かれる展開となった。
このままいけばワーレン艦隊の敗北は確実であったが、リッテンハイム軍の追撃に当たっていたキルヒアイス艦隊が救援に駆け付けたことで、どうにか艦隊を立て直すことに成功した。
キルヒアイス艦隊が参戦したことで戦線は一時膠着したが、数の上では互角でも、連戦で武器弾薬が少なくなった彼らは消耗戦になると不利である。
また、リッテンハイム
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