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猫嫌いの父
第一章
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 こちらは全否定だった。
「だからだ」
「誰にもなのね」
「振るうものか」
「それでなのね」
「嫌だがな」
 ミケが傍に来ることはというのだ。
「それでもな」
「いいのね」
「ああ、仕方ない」
 こう言ってだった。
 父はミケが傍にいても嫌な顔はしたが追っ払ったりしなかった、そうして家の中で酒を飲みテレビを観ていた。
 そしてだった、ある日のこと。
 彼は朝起きてミケが枕元で丸くなっているのを見た、それで起きてから一緒のベッドに寝ている妻に問うた。
「母さんが連れて来たのか」
「そんなことしてないわよ」
「じゃあミケが自然に来たのか」
「そうでしょ」
「そうか、仕方ないな」 
 彼はミケの丸くなっている姿を見て頷いた、それでだった。
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