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Fate/WizarDragonknight
その名はクトリ
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空よりも蒼い瞳が、ハルトをドキドキとさせた。

「来てくれるの? 良かった、チー君がいつも言ってるから私も見てみたいとずっと思っ……コホン!」

 突如我に返ったクトリは、赤面しながら咳払いをする。

「よかった。受付に話を通しておくから、たまに来てくれたら嬉しい」

 先ほどと比べて、明らかに声が固い。そこでハルトは、あえて意地悪をしてみることにした。

「ねえ、クトリちゃん。……もしかして、クトリちゃんも俺のマジック見たい?」
「? ち、違うよ!」

 彼女の薄い赤が、ゆでだこのように真っ赤になる。

「私は年長者よ! 皆の中でお姉さんよ! そんな私が、ま、マジックなんて子供だましを見たいわけないじゃない!」
「おう、本人の前で軽く失礼なことを言う年長者だな」
「見たいのはあくまでチー君よ! 他の子たちも見たがってるけど、まさかお姉さんの私が診たがるなんて、そんなわけないでしょ!」
「ココアさんみたいですね」

 チノの発言に、ハルトは大いに同意した。だが、クトリは首を大きく振る。

「違うわよ! 私は別にマジックなんて興味ないわええそうよ! チー君が毎日毎日見たいみたい言うからよその意思を伝えたいからこうなってるのよ」
「分かった分かった。たまに顔出しに行くから。少し落ち着いて」

 すると、クトリの顔がパアッと輝いた。だが、すぐに落ち着き、

「コホン。ねえ、一つ何か見せてくれない?」

 と尋ねる。
 ハルトはチノの方を見る。チノもチノで、ハルトの大道芸を大して見たことはないので、少し期待の眼差しを向けていた。
 ハルトは「そうだな」と少し考え、

「それではお二方。ここに取り出しましたるは……」
「クトリ」

 ショーの時間、五秒。
 クトリの集中を奪ったのは、病院の庭にやってきた人物だった。
 長身の、白衣を着た男。厳つい顔は皺だらけだが、その青い眼差しには強い光が灯っていた。ライオンの(たてがみ)のように広がった髪は、その赤毛も相まって、太陽を連想させた。

「何をしている? 休憩時間は終わったぞ」
「あ、院長」

 院長。つまり、この見滝原中央病院の総責任者だということ。
 院長はハルトとチノにも一瞥し、頭を下げた。

「初めまして。そちらのお嬢さんは、確か今日退院の香風智乃さん……かな?」
「は、はい……」

 にっこりと笑う院長に、チノはどことなく怯えている。生来の人見知りする性格が表に出たのだろう。チノは、ハルトの背後に隠れていた。

「とすると、君は引き取り人かな?」
「はい。チノちゃん……香風さんのところのバイトです」
「そうでしたか。改めて、院長のフラダリ・カロスと申します」

 フラダリという名の院長は、自己紹介も
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