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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第261話「海鳴の戦い」
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神々を貫く。
 
「……私達以外を見ていなかったね。やっぱり、戦闘経験が浅いね」

 元々、これはアリシア達が想定していた事だった。
 アリシア達が多数を引き付け、その間に那美達が準備。
 それが済み次第攻撃を放つという手筈だった。

「馬鹿、な……!?それでも、何人かがそれに気づいていたはず……!」

「っ、耐えられた……!」

 一人の神が耐えきったのか息絶え絶えになりながらもそこにいた。
 即座にバインドで拘束し、幾重にも霊術で移動を封じる。

「そうね。何人か、那美さん達へ向かっていったわ」

「でも、当然ながら護衛もそこにいるんだよね」

 トドメの霊術を用意しつつ、アリサとすずかが神の疑問に答える。

「要は、そっちの読みと想定が甘かった。それだけだよ」

「人間、嘗めんじゃないわよ」

「何かを守る“意志”は、決して負けないよ」

 その言葉を最後に、トドメを刺す。
 問答の必要はなく、神は断末魔もなく“領域”を砕かれた。









『那美さん。こっちは終わったよ』

「『了解。こっちも……うん、もうすぐ終わるよ』」

 アリシアが戦闘終了を伝心で伝えてくる。
 那美がそれに対応し、ふと周囲に視線を向ける。
 そこには、ちょうど最後の神が小太刀によって切り裂かれ、“領域”が砕け散っているところだった。

「生憎だね。“意志”次第で何とかなるなら、私達にもやりようはあるんだ」

 那美達の護衛をしていたのは、二人だ。
 片方は、なのはの姉である美由希。

「……御神不破流の前に立った事を、不幸と思え」

 そして、高町家の長男、恭也だ。
 父である士郎は、非戦闘員である桃子などを守るため、ここにはいない。
 たった二人で、那美達を守りつつ、襲ってきた敵を全滅させたのだ。

「くぅ……疲、れた……」

 戦闘が終わったからか、久遠が狐形態に戻りながらその場にへたり込む。
 事実、海鳴市にいた敵は全滅させた。
 他の敵は京都や東京など、戦力が集中している所に集まっている。
 そのため、休む事はできるだろう。

「じゃあ、私達は他の地域に行ってくるよ」

「わかった。後の事は私達に任せて」

 だが、那美と久遠、そしてアリシア達は他の街へと向かう。
 残る恭也達も、海鳴市を守るように戦うつもりだ。
 ……戦いは、まだまだ始まったばかりなのだから。
















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