最終章:無限の可能性
第261話「海鳴の戦い」
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
神々を貫く。
「……私達以外を見ていなかったね。やっぱり、戦闘経験が浅いね」
元々、これはアリシア達が想定していた事だった。
アリシア達が多数を引き付け、その間に那美達が準備。
それが済み次第攻撃を放つという手筈だった。
「馬鹿、な……!?それでも、何人かがそれに気づいていたはず……!」
「っ、耐えられた……!」
一人の神が耐えきったのか息絶え絶えになりながらもそこにいた。
即座にバインドで拘束し、幾重にも霊術で移動を封じる。
「そうね。何人か、那美さん達へ向かっていったわ」
「でも、当然ながら護衛もそこにいるんだよね」
トドメの霊術を用意しつつ、アリサとすずかが神の疑問に答える。
「要は、そっちの読みと想定が甘かった。それだけだよ」
「人間、嘗めんじゃないわよ」
「何かを守る“意志”は、決して負けないよ」
その言葉を最後に、トドメを刺す。
問答の必要はなく、神は断末魔もなく“領域”を砕かれた。
『那美さん。こっちは終わったよ』
「『了解。こっちも……うん、もうすぐ終わるよ』」
アリシアが戦闘終了を伝心で伝えてくる。
那美がそれに対応し、ふと周囲に視線を向ける。
そこには、ちょうど最後の神が小太刀によって切り裂かれ、“領域”が砕け散っているところだった。
「生憎だね。“意志”次第で何とかなるなら、私達にもやりようはあるんだ」
那美達の護衛をしていたのは、二人だ。
片方は、なのはの姉である美由希。
「……御神不破流の前に立った事を、不幸と思え」
そして、高町家の長男、恭也だ。
父である士郎は、非戦闘員である桃子などを守るため、ここにはいない。
たった二人で、那美達を守りつつ、襲ってきた敵を全滅させたのだ。
「くぅ……疲、れた……」
戦闘が終わったからか、久遠が狐形態に戻りながらその場にへたり込む。
事実、海鳴市にいた敵は全滅させた。
他の敵は京都や東京など、戦力が集中している所に集まっている。
そのため、休む事はできるだろう。
「じゃあ、私達は他の地域に行ってくるよ」
「わかった。後の事は私達に任せて」
だが、那美と久遠、そしてアリシア達は他の街へと向かう。
残る恭也達も、海鳴市を守るように戦うつもりだ。
……戦いは、まだまだ始まったばかりなのだから。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ