最終章:無限の可能性
第261話「海鳴の戦い」
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
京都にて、陰陽師の開祖達が戦いを繰り広げる中、東京の方でも動きがあった。
かつて江戸で活動していた陰陽師……すなわち、とこよ達が戦っていた。
「ッッ!!」
地上を駆け、飛び交う攻撃の嵐すら足場にしてとこよは跳ぶ。
刀を振るい、霊力の斬撃を飛ばし、御札をばらまいて霊術を発動させる。
「くっ……!」
「本当、一人一人が強いんだから……!」
一撃を入れて即座にその場から移動するヒット&アウェイ戦法をとこよは使っている。
敵の数が多いため、動き続けなければたちまち被弾するからだ。
「ッ!」
肉薄してきた“天使”の剣を刀で受け流し、その反動を利用しつつその“天使”を足場にしてさらに跳ぶ。
別の“天使”の追撃をそのまま迎撃し、霊術で反撃した。
「ぐっ……!」
だが、手が足りない。
紫陽や他の式姫もいるが、そちらはそちらで戦っている。
加え、神降しをしようにも、降ろす神も実際に顕現して戦っているため出来ない。
故に、多数を相手にできるほど、とこよは強化できていなかった。
「しまっ……!?」
結果、大きく体勢を崩された。
刀ごと大きく弾かれ、完全に無防備な状態で宙に投げ出された。
咄嗟にダメージを覚悟し、できうる限りガードをしようとして……
「ッ……!?」
瞬時に、目の前の景色が切り替わった。
『聞こえますか?とこよさん』
「え……?」
伝心による声がとこよの頭に響く。
その声に、とこよは一瞬思考が止まった。
なぜなら、その声はもう聞く事がないはずのものだったからだ。
「文……ちゃん……?」
『はい。……本当に、お久しぶりですね。とこよさん』
それは、かつてとこよがまだ人だった時代。
陰陽師の補佐であり、相棒でもあった百花文の声だった。
「……そっか。司ちゃん達のおかげだね」
『誰の事かは存じませんが……世界の“意志”による後押しで一時的に現世に戻ってきました。……支援は任せてください!』
「了解!それじゃあ……!」
改めて戦闘再開。そうしようとした瞬間、奇襲される。
だが、とこよが迎撃する前に、飛んできた矢に貫かれた。
「……成仏しておいてなんだけど……私もいるわよ。とこよ」
「澄姫……!」
矢を放ったのは、とこよのライバルであり、この前成仏したはずの澄姫だった。
今この戦いのために、抑止の力で一時的に戻ってきたのだ。
「それと、私と文だけじゃないわ」
「……まさか……」
再び、とこよ達を襲おうとした敵が止められる。
今度は強力な霊術
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ