第三章
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尻尾をまたよく振った、するとだった。
栞奈はシロと彼の尻尾の動きを見て自然に笑顔になった、それでだった。
幾分癒されてだ、そうしてから。
風呂に入って寝た、シロの尻尾の動きを見てそれで幾分か疲れが取れた気がした。それからアルバイトがある日は。
家に帰ると必ずシロが傍に寄ってきてだ、尻尾を振って見せてきた。栞奈はいつもそれを見て癒された。そうした日が続いて。
アルバイトをはじめて一月程すると栞奈はアルバイトに完全に慣れた、それで家に帰っても普通に過ごせる様になったが。
アルバイトがあった日にシロを見て母に話した。
「慣れるまで大変だったけれど」
「それでもなのね」
「シロがいてくれて」
それでというのだ。
「いつも尻尾振って見せてくれたから」
「癒されていたのね」
「ええ、今も振ってくれているけれど」
「慣れるまでは」
「私達がシロの尻尾が動くのを見るが好きだから」
それでというのだ。
「シロも見せてくれたのね」
「そうかもね、猫も心があるから」
「私達を家族って思ってるのね」
「だからね」
「それでよね」
「栞奈のところに来てくれたのよ」
「毎日なのね」
娘は母に言った。
「アルバイトがある日はね」
「栞奈が帰ったらね」
「いつもよね」
「来てくれて」
そしてというのだ。
「尻尾動かしてくれたのよ」
「そうなのね、それって」
「嬉しいわね」
「ええ、シロに感謝するわ」
「そうしなさい、お母さんもね」
母も娘に言った。
「シロに癒されること多いしね」
「お母さんもなの」
「色々あってもお家に帰ったら栞奈がいてね」
そしてというのだ。
「シロがいてくれてね」
「お母さんも癒されてるの」
「ええ、あんたがあの子拾ってきた時飼うのは無理って言ったけれど」
「それでもなのね」
「あの子がうちに来てくれてよかったわ」
この言葉を頃頃から出した。
「今はそう思うわ」
「そうなのね」
「あんたも今回癒されたし」
「うちにシロが来てくれて」
「本当によかったわ」
娘に心からの笑顔で言った、そうしてだった。
自分達のところに来たシロの背中を撫でた、するとシロは嬉しそうに尻尾を動かした。母娘はその尻尾の動きを見てまた笑顔になった。
尻尾を振る猫 完
2020・9・22
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