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尻尾を振る猫
第二章

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「本当にね」
「そうよね、じゃあこれからもね」
「シロとずっと一緒にいましょう」
「そうよね」
「だからお母さんも頑張るからね」
 仕事にというのだ。
「そうしていくから」
「うん、じゃあ私もね」
「二人で頑張っていきましょう」
「シロと一緒にね」
「ニャア」
 そのシロもいつも鳴いて応えた、シロには面白い癖があり。
 よく尻尾を振っていた、母はその尻尾を見てよく言った。
「普通猫がこんなに尻尾振らないわ」
「犬よね、振るのは」
「ええ、尻尾を振るっていったら」
 娘にこう話した。
「やっぱりね」
「そうよね」
「シロはそこが変わってるわね」
「他の猫とは違うのね」
「ええ、他のことはね」
 これといってというのだ。
「変わってないけれど」
「それでもよね」
「尻尾をよく振ることはね」
 このことはというのだ。
「変わってるわね」
「こうした猫もいるのね」
「そうね、けれどね」
「それでもよね」
「そこが面白いわね」 
 笑顔で言うのだった。
「他の子と違って」
「そうよね」
「見ていると面白くてね」
 それでというのだ。
「癒されるわね」
「そうね、シロの尻尾がよく動くのを見てると」
 栞奈もこう言った、それも笑顔で。
「自然とね」
「笑顔になるわね」
「そうよね」
「私もね」 
 母に笑顔で言った、母娘はシロの尻尾の動きにも心を癒されていた。そうして二人と一匹で楽しく過ごし。
 栞奈は高校生になるとアルバイトをはじめた、それが家計の足しになると思ってだ。それでなるべく時給が高いアルバイト先を選んでそこに入ったが。
 しかしだ、時給が高いだけあってだ。
「随分疲れてるわね」
「うん、時給はいいけれどね」 
 家でだ、栞奈は早苗に学校の授業とアルバイトが終わってから話した。
「それでもね」
「疲れるお仕事なのね」
「まだ入って一週間だから」
「慣れていないのね」
「そうだと思うし」
 それでというのだ。
「今は堪えるわ」
「まあお仕事は何でもね」
「最初は大変よね」
「慣れるまではね」
 母も娘に話した。
「どうしてもね」
「そうよね、それじゃあ」
「今は頑張ってね」
「そうするわ」
「それでゆっくり休んでね」
「よく寝たらいいのね」
「よく休んだら」
 それでというのだ。
「また頑張れるから」
「じゃあね、とにかく時給はいいから」
「家計にもなのね」
「随分助かると思うから」
「それじゃあ」
「そう、本当にね」
「お風呂に入って」
 そしてというのだ。
「すぐに寝るわね」
「そうするわね」
「ニャッ」
 二人で話しているとそこにシロが来てだった。
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