私、小っちゃくなっちゃった!
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過し、そのまま左手からカウンターに着地した。
「うわぁ……いつものカウンターも、街みたい!」
テンションが上がった可奈美は、そのままコップやティッシュ箱の裏などを散策している。
「何してるの?」
「ほら、昔から言うでしょ? 物にはみんな魂があるって。一生大切に使っていると、いいことがあるって死んだおばあちゃんが言ってたんだ」
「俺は初耳かな」
「いっぺん小さくなって、そういうのを体験してみるの、やってみたかったんだ!」
「要は座敷童ってやつか」
「そう!」
ニッコリと返した可奈美に、ハルトは頬をかきながら、
「悪いけど、スモール、大体十分くらいで効力切れちゃうからさ、あまり狭いところには入らないでほしいんだよね。大きくなるとき大変なことになりそうだから」
「十分だけ? そっか……」
可奈美はしょんぼりとするが、すぐに復活。
「だったら、せめて今だけでも遊びたい!」
可奈美が走り回ろうとしたとき、ドアチャイムが鳴った。
制服を着た店員が誰一人として接客できない状況だが、ハルトはとりあえず「いらっしゃいませ」と声をかけた。
だが、入ってきたのは人間ではない。赤、青、黄の三色の動くプラモデルだった。
ハルトは一瞬顔が引きつるが、穏やかに足元に寄ってきた様子に、胸をなでおろした。
「よかった……ファントムじゃなくて魔力切れか……お疲れ様」
青い馬、黄色のタコ。そんな印象のプラモデルたちは、ハルトが触れるとその体を消滅させた。残った指輪を、またベルトに読ませる。
『ユニコーン プリーズ』
『クラーケン プリーズ』
虚空の空間より、青と黄のランナーが出現する。そこから外されたパーツがくみ上げられ、たった今消滅した馬とタコが組みあがった。
全自動プラモデル組み立てを一瞥することなく、ハルトはその二体に再び指輪を埋め込む。
プラモンスター。魔力で動く、ハルトの使い魔たち。普段はファントムの探索のために町をパトロールしており、今は休憩のため、ココアという台座の上で跳ねまわっている。
「あれ? ガルーダは?」
ハルトは、もう一体あるべきプラモンスターの姿を求めて店内を見渡す。
店に戻ってきたのは三体。最後の一体、レッドガルーダの姿がどこにもなかった。
「うわっ! ガルちゃん、くすぐったい!」
そんな声が、カウンターから聞こえてきた。見下ろせば、赤いプラスチック製の鳥が、同じくらいの背丈の可奈美に甘えるように頬ずりしている。
「え? 可奈美ちゃん、いつの間にガルーダとそんなに仲良くなったの?」
ガルーダが、これまで見たことないくらい小さな可奈美の姿に興奮している。
可奈美はガルーダを制しながら言っ
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