第1部
アッサラーム〜イシス
ピラミッドでの攻防
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とそこには────。
「うぎゃああああああっっっっ!!!!」
無造作に転がっていたのは、なんと人の骨だった。
断末魔のような叫び声を上げた私はバランスを崩し、先に二、三段下を下りているナギにぶつかった。そのまま私たち二人は揉んどりうって転がり、下の階まで一気に落ちてしまった。
「いってえ……」
「ごっ、ごめんナギ! 大丈夫!?」
幸い私はナギがクッションになってくれたお陰で怪我はしてなかったが、ナギは私を受け止めてくれたからか、あちこち打撲をしてしまったようだ。
「ったく、骨くらいで大袈裟だろ」
「うぅ、ごめん……。でもまさか、あんなところに骨があるなんて……」
「ひょっとしたら、落とし穴から落ちてきた人が出口近くまで来て、そこで力尽きたのかもな」
「ああ、そっか……。あの外にある石、内側からは動かせなさそうだもんね」
出口に続く階段まで来て出られないなんて、なんて残酷なんだろう。そんなにまでして侵入者を排除したいのだろうか。
けど取り敢えず今は、先に進むことが先決だ。
階段から下りたあと、一応周囲を見回してみるが、見事にまっ暗闇。松明がなければ何も見えないので、早速ナギは松明に火をつける。
砂漠にいたときとはうって変わって、地下の体感温度は物凄く低く感じる。まるで冬の洞窟にいるような寒さだった。
こんな状況の中、ユウリは一人で穴に落ちてしまったんだ……。
もし自分がこうなったらを考え、私は思わず恐怖で身震いした。
本当は彼の名を呼んで探したいが、どこに魔物が潜んでいるかわからない。ここは我慢して、視覚のみに頼って探すことにした。
確かユウリも松明を持っているはず。だったら、炎の灯りで見つけられるかもしれない。
などと考えていると、ナギが小声で私たちに話しかけてきた。
「念のため、『しのびあし』使ってみるぞ」
もちろん、否定する理由などない。私たちは小さく頷いた。
ほどなくナギが、魔物避けの呪文を使った……はずだったのだが。
「ナギ! 前!!」
魔物の気配を感じた瞬間、私は先頭にいるナギに向かって叫んだ。ナギも気づいていたらしく、私が声を発すると同時にその場に跳び退いた。すると、いきなり白い大きな何かがこちらへ倒れ込んできたではないか。
うつ伏せの状態のそれは、包帯でぐるぐる巻きになった人間のようだった。ロズさんの話では、『ミイラ男』という魔物を見たようだが、恐らくこいつのことだろう。
ミイラ男はゆっくりと起き上がると、首を180度あり得ない方向へ動かし、包帯の隙間から見えるギョロっとした目玉をこちらに向けながら勢いよく突進してきたではないか。
「ぎゃああああああっっ!!!!」
「いやああああああっっ!!!!」
そのあまりの気持ち悪さに、私は女の子らしか
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