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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第50話:水月で愛を語らう
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な凄い女だから、俺は惚れたのかもな」
何も言ってこない奏に颯人は不満そうな顔をするでもなく、それどころか彼自身も頬を少し赤くしながら言葉を続けた。
その際、奏は彼が次に告げるだろう言葉が予想できた。
「改めて言わせてくれ、奏。…………俺はお前が好きだ。幼馴染だからとか女友達としてとか、そう言うんじゃない。明星 颯人と言う1人の男として、天羽 奏と言う1人の女を愛したい。いや、俺はお前を愛してる」
一切の軽さの無い、心の底からの颯人の告白を聞いて奏は目に涙が滲んできた。
同時に奏はここで漸く、この夜のデートが以前約束した「奏が満足できるムードでの告白」を実行に移したものだという事に気付いた。月明かりで作られた海面の道を歩き、そこから夜の街の輝きを前にした告白。それは確かに簡単に経験することの出来ない、それでいてロマンティックな体験であった。
こんなシチュエーションを本当に用意してもらい、心の底から愛を囁かれた。しかもその相手に対して、彼女自身も好意を抱いている。
奏は今の今まで、ずっと温めていた言葉を万感の思いを込めて口にした。
「……アタシも、アタシだって……颯人の事が好き…………違う、大好きだよ……!」
待ち望んでいた奏からの返答に、颯人はそのまま彼女を強く抱きしめた。奏の首筋に顔を埋め頬擦りするように抱き締める颯人からは、絶対に離さない・離れないと言う強い意志=愛が感じられる。
その愛が心地よくて、奏も颯人を抱きしめ返した。
ここに晴れて、互いに恋人同士になれた颯人と奏。
全身で奏からの愛を感じる颯人だったが、ここで彼の中に小さな欲が首を
擡
(
もた
)
げた。何だかんだで今まで押え付けていた、愛が噴き出して収まらなくなったとも言えた。
「なぁ奏?」
「うん?」
「折角恋人同士になれたんだからさ、もうちょっとだけ恋人らしい事の一つでもしないか?」
「!? そ、それって…………キ、キス……か?」
「流石に駄目か?」
少しがっつき過ぎたか? と不安を抱く颯人だったが、対する奏の方も決して満更ではなかった。抱きしめるのを止め体を少し離して正面から颯人に向き合うと、奏は先程より顔を赤くしながら小さく頷いた。
「そ、その……駄目じゃ、ない。今までお預け状態だった、訳だし…………うん」
言いながら恥ずかしくなったのか、奏はつい彼から目を逸らしてしまった。その姿が堪らなく可愛くて、颯人はもう我慢できないと言わんばかりに奏に口付けをした。
「ん!? ん…………」
再び影が重なり合った颯人と奏。奏は一瞬驚きながらも、すぐに受け入れると目を瞑り彼の背に腕を回しその身を委ねた。
誰も周囲に居ない、静かに波打つ海の上。邪魔が入らないその場所で、月明かりの下
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