暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第50話:水月で愛を語らう
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からか、男たちはかなり無遠慮に奏に話し掛けてきていた。騒がれないのは助かるが、見ず知らずの男達にこうも馴れ馴れしく近付かれると彼女としても気分が悪い。
──面倒な事になったな……──
奏はこの状況をどう乗り切ろうかと頭を回転させた。日々ノイズと戦い、最近は魔法使いとの戦闘も増えてきた奏にとってこの程度の連中を力技で叩きのめすのは容易な事である。
しかし安易に暴力に頼るのは如何なものだろうか? と言う気持ちは当然持ち合わせていた。特に彼らはガラは悪くともまだ声を掛けてきただけの一般人であり、そんな彼らを拳で黙らせることは躊躇われた。
とは言え、このまま何もしなければ手を出してくることは簡単に想像できるし、中途半端な抵抗では何の意味も無いどころか逆に刺激してしまう可能性もあった。
どのようにしてこの場を切り抜けるか? と言うより颯人は何処をほっつき歩いているのか?
等と考えていると、徐に奏と男たちの間に颯人が割って入ってきた。
「よ〜ぅ、お待たせ!」
「あ?」
突然間に入ってきた颯人に、男達は当然ながら不快感を露わにしたが彼は全く気にせず買ってきたジュースの缶を奏に渡した。
「悪いな、時間掛けちまって。品揃えの悪い自販機だったもんで、どれがいいか逆に悩んじまってよ」
言いながら颯人は両手に持ったジュースを両方渡した。渡されたのはドクター〇ッパーとマッ〇スコーヒー、この二つからどちらかを選べという事か。
この時点で男二人組は颯人達の眼中から完全に無くなっていた。
それが分かるからか、彼らは颯人の肩を掴み自分達の方を無理矢理向かせた。
「おい兄ちゃんよ!? 俺ら無視すんじゃねぇよ!?」
「まぁまぁそうカッカしないでさ。ね? これでも見て機嫌直してよ」
邪魔されて苛立ちを隠さない男達に対し、颯人は飄々とした態度を崩さない。
そして彼は、徐にハンカチを取り出すとそれを男の片方の胸ポケットに被せて一瞬で取り払った。
するとその男の胸ポケットには、鮮やかな黄色いカーネーションが一輪差さっていた。
「うぉっ!?」
「ふっふ〜ん! どう? こんなの序の口で他にも色々あるけど?」
「う、うるせぇ!?」
驚く男達に颯人は満足げな笑みを浮かべ、さらに次の手品に取り掛かろうとする。
が、彼らにはコケにされていると言う認識しかなかったのか感情のままに颯人を突き飛ばす。
その瞬間、颯人の首がポロリと落ちて鳩尾の辺りで構えていた彼自身の両手に受け止められた。
「「うわぁぁぁぁっ!?」」
いきなりそんなものを見せつけられ、仰天する男達に構わず颯人は自分の首を持った状態で前に出た。
「あ〜あ〜、何てことするんだよ。酷いなお前ら。まぁいいや、
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