見滝原中央病院
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ターホールにたどり着く。建物が大きければエレベーターも大きい。満員電車顔負けの人たちが出てきた。
「すごい人……」
ハルトは、驚きを通り越して、呆れかえっていた。
「チノちゃーん?」
病室に入ったハルトたちを迎えたのは、そんな少女の泣き声だった。
「メグさん……離してください」
「にゃははは! メグ、毎日来てるもんな!」
青髪の少女、チノと八重歯が特徴の少女、マヤ。並んだベッドの二人に同時に抱きついている赤毛の少女がいた。二人よりも高い背丈、県構想な四肢の少女。彼女の名前が奈津恵、通称メグというのは別に訪れた者より聞いた。
「だってえ〜」
メグは二人の言葉も聞かず、ぎゅっと密接している。
「私が遅刻している間に、二人ともすごい怖い目にあったのに〜! 私、何もできなくて」
「メグさんが無事なのがなによりですから。離して下さい」
「にゃははは! でも、メグにこうしてもらえるのも嬉しいぜ! ……お!」
マヤがこちらに気付いた。
「よっす! まどか! ……と、知らないお兄さん!」
知らないお兄さんことハルトは、マヤに会釈を返しながら、病室に立ち入る。
「やあ。チノちゃん。元気そうだね」
「ハルトさん……これが元気そうにみえますか?」
メグに窒息寸前んまで締め付けられるチノが苦言を漏らす。メグの背中をポンポンと叩くが、もうすぐでギブアップしそうだった。
ようやくメグが二人を開放する。チノはふう、と大きく深呼吸した。
「ハルトさん。まどかさん。すみません。わざわざ」
「気にしないで。俺たちも、この一週間、チノちゃんたちがどんな様子か気になっていたし」
「ココアちゃんはもう来たんだよね」
まどかの質問には、チノより先にマヤが答えた。
「ああ! ココアは毎日来てたぜ! んで、メグも毎日来るもんだから、二人でそろってチノをぎゅぎゅってやってたぜ!」
「マヤさんだってやられてたじゃないですか。昨日は『うい〜、もう少しで死んだひいじいちゃんが見えるところだった』って」
「言うなよ」
そう言って、メグを合わせた三人は笑いあう。
仲がいいな、と思いながら。
「でも、本当に良かったよ。……長居するのも悪いから、俺はこれで……」
「ハルトさん」
帰ろうとするハルトを、チノが呼び止めた。
「あの、ハルトさん」
「どうしたの?」
「私、会いたい人がいるんです」
心なしか、チノの目がハートマークに見える。
ハルトは戸惑いながら、「だ、誰?」と尋ねると、
「立花響さん!」
と、いつもの彼女からは結び付けられない明るい声で答えた。
「響さ
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