第百四十三話 罠
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れる者は藁をもつかむと言う物も有るそうですから、彼等にしてみれば、父上に感謝する心が一刻は大きくなるでしょうけど、所詮は門閥貴族、直ぐにそんな事は忘れて、傍若無人に過ごし始めるでしょうね」
「確かにそうでしょうな、彼等に殊勝という言葉はありませんからな」
「それでは、軍に復活させて武勲を立てさせてしまっては更に、不味いのではないのか?」
「ああ、それは彼等に是非とも武勲を立てさせて、フレーゲルには是非大将になって頂きたいんですよ。それに何れは、流刑星のヘルクスハイマーも大将にして汚名挽回のチャンスを与えると」
「テレーゼ、汚名挽回じゃが、知っていて使っているのであろうな」
「ええ、本来であれば、汚名返上、或いは名誉挽回が正しいのですけどね、彼等には是非ともウロウロして役に立たない状態でいて貰いましょう。それに艦隊自体が吹きだまりですから、真っ当な艦隊とは言えません。通常人材の損耗はさせたく無いので、宇宙艦隊の中でも略奪暴行などの悪行をしまくるような、屑を集めましたから、どの程度仕切れるかが問題でしょうね」
「テレーゼもあくどくなった物じゃ」
「全くです、誰に似たのでしょうか」
フリードリヒ四世とグリンメルスハウゼンがテレーゼを見ながら話す。
「まあ、父上の子供ですし、ルドルフ大帝の血も引いてるし、教師は皆とんでも無い人ばかりですからね」
フリードリヒ四世と同じ様に茶目っ気たっぷりにウインクする。
「ハハハ、そうだの」
「そうですな」
一頻り笑いの後、再度話が始まる。
「さらに、今後の戦略上、あの金髪と赤毛もこの二週間で姉上成分を充分吸収したでしょうから、そろそろ憲兵隊での最後の仕事で昇進させてあげましょうか」
「テレーゼ、その仕事とはなにかな?」
「父上も報告を受けているでしょうが、地球教の事です」
「なるほど、あれか」
「そうです、以前からフェザーンの行動に疑念を持ったので、調べさせていたのですが、暗殺されたフェザーン四代目自治領主ワレンコフの日誌をごく普通のネット上に特殊処置をされ隠されていた物の発見に成功したのです」
テレーゼの言葉にある、ワレンコフの日誌とは、真っ赤な嘘で、テレーゼがでっち上げたのであるが、まさか子供がここまで作れるとは思わなかったため、フリードリヒ四世、グリンメルスハウゼン、ケスラーも信用したのである。
「あれには驚いたが」
「ですな」
「フェザーンは通商をしなければ生きていけないのに係わらず、態々戦乱を長引かせるような事を行っている、それが通常の商人としての動き方と真逆の行為と言えたのです。無論戦争で儲けることも可能ですが、戦争で人が減るほどに市場は縮小し、軍関係は売れますが、通常消費は減りますから」
「其処に矛盾を感じたか」
「ええ、大昔
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