第六幕その九
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「楽よ」
「ぬいぐるみの身体は」
「いいわよ、ただあたしはぬいぐるみだから」
それでと言うのでした。
「中のお水を抜く必要があるわよ」
「脱水だね」
ジョージが言ってきました。
「洗濯の後で」
「そう、いつもそっちもしているわ」
「それで後は乾燥だね」
「もうそれは動いているうちに乾くから」
「いいんだ」
「ええ、別にね」
こちらのことはというのです。
「いいのよ」
「そうなんだ」
「とにかくね」
ここでまたコヨーテが言ってきました。
「お洒落も争わないこともね」
「手間暇がかかるのね」
「そうしたものだよ」
こうつぎはぎ娘に言います。
「これがね」
「そうなのね」
「けれどやろうって決めたらね」
「その手間暇もなのね」
「厭わないよ」
「そうしてやっていくのね」
「そのつもりだしこれからもね」
さらにというのです。
「やっていくよ」
「覚悟は決めているのね」
「覚悟と言うものかは知らないけれど」
それでもという返事でした。
「決心はしているよ」
「これからもなのね」
「そうだよ、お洒落は大好きだしね」
「そういうことね、そういえば」
ここでこうも言ったつぎはぎ娘でした。
「あたしも凄いお洒落することあるわよ」
「どんなお洒落かな」
「身体中に色々な宝石付けてね」
そうしてというのです。
「キラキラになるの」
「ああ、そうしてなんだ」
「凄く奇麗になるのよ」
「それはいいね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「宝石を身体中に付けると凄く重いから」
だからだというのです。
「それはあまりしないの」
「うん、確かにそのお洒落はかなり重いね」
コヨーテもそれはと返します。
「君は軽やかだからね」
「それでよね」
「そう、それはね」
本当にというのです。
「あまりしないの」
「そうしたお洒落なんだ」
「踊りにくくなるから」
このこともあってというのです。
「あまりしないわ」
「奇麗になってもだね」
「そうなの」
「けれどね」
ここでドロシーが言ってきました。
「その時のつぎはぎ娘はとても奇麗よ」
「キラキラして」
「それも色々な色でね」
それぞれの宝石の輝きでというのです。
「奇麗なのよ」
「そうした時のつぎはぎ娘さんも見てみたいね」
「機会があれば」
「そうしたいね」
コヨーテはドロシーに答えました。
「是非」
「まあ特別な式典に参加した時はそうなるから」
だからと言うつぎはぎ娘でした。
「そうした時にね」
「君と会えばいいね」
「そうしたらいいわ」
「ではね」
「ええ、機会があればね」
「そういえば」
今度はジョージが言います。
「僕達も式典の時は
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