第六幕その八
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「奇麗にしないとね」
「そう思うのね」
「それも強くね」
「うん、そうだね」
「僕達もトトと同じ考えだよ」
臆病ライオンと腹ペコタイガーも言うのでした。
「お風呂に入って」
「毛づくろいもしてね」
「それで奇麗にしないとね」
「いつもね」
「そう言えば臆病ライオン君の鬣はいつも奇麗だね」
ジャックは臆病ライオン自慢のその部分を見て言いました。
「とても」
「手入れしてもらってるんだ」
「そうなんだね」
「王宮ではジュリアにそうしてもらって」
「冒険の時はだね」
「一緒にいる娘にね、いつも感謝しているよ」
笑顔での言葉でした。
「今はドロシーにね」
「とても素敵な鬣だから」
ドロシーも笑顔で言います。
「いつも奇麗にしないとね」
「こう言ってくれるから嬉しいんだ」
「僕のブラッシングもしてくれるからね、ドロシーは」
腹ペコタイガーも言います。
「嬉しいよ」
「貴方もそう言ってくれるのね」
「事実だからね」
「そうだね、皆とても奇麗だよ」
コヨーテはトト達にも言います。
「いつも手入れをしていることがよくわかるよ」
「そう、どんなものでも手入れを怠るとね」
樵もここで言います。
「汚くなるからね」
「だから君はいつも油で身体を磨いているね」
「そうなんだ」
かかしに笑顔で答えます。
「そして君もね」
「身体は洗濯してね」
「中の藁を入れ替えているね」
「いつもね」
「僕やジャック君は身体を油で拭いて」
木挽きの馬も自分のお話をします。
「奇麗にしているしね」
「僕はカボチャを替えたり服を洗ったりもしているよ」
ジャックも自分のお話をします。
「そうしているよ」
「そうしていつも奇麗だね」
「僕自身への手入れをしているからね」
「そう、この服もね」
コヨーテは今自分が着ているタキシードのお話をしました。
「いつも奇麗にしているんだ」
「そうね、埃一つないわね」
つぎはぎ娘もそのタキシードを見て言います。
「アイロンもかけてるし」
「ぴしっとしてるね」
「凄くね」
「クリーニングをしてね」
それでというのです。
「洗濯をしてね」
「アイロンがけもなの」
「しているからね」
「だからそんなに奇麗なのね」
「そうなんだ、ステッキも磨いてるし」
「靴もだよ」
クロアシイタチはそちらのお話もしました。
「いつもね」
「奇麗にしているのね」
「そうなんだ」
実際にというのです。
「磨いてね」
「手間もかけてるのね」
「お洒落にね」
「紳士として」
「そう、争わない人としてね」
そうしているというのです。
「そうしているんだ」
「お洒落をするにも争わないことをするには手間暇かかるのね」
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