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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
間章2 解放軍の光と影
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手く行かなくて焦ってるんですよ……」


そう言うと2人はガラス管に入った若いエルフのホルマリン標本を眺める。
プロフェッサー・ドクはガラス管を撫でると―。


「この世界はいい。魔法といい、異世界生物といい、未知のものに溢れていますからね…。科学者としては興味に尽きません」


「そうだな。我々は科学者だ。未知のものを解き明かすのが仕事だ。そのためには手段は選ばん……ショッカーのためにもな」


綾小路博士、ハインリッヒ博士、プロフェッサー・ドク……ショッカーの誇る狂科学者(マッドサイエンティスト)達は今日も残虐な研究を続ける。全ては自らの探求心と偉大なるショッカー、そして大首領様の為に……。

―――――――――――――――――――――――――――――――
帝国 帝都 元老院



「イタリカが占領されただと!?!?」


円形の壁面に沿って並べられたひな壇に座っている元老院議員達が興奮気味にざわめく。平時なら月に数度しか開かれない元老院も国家の非常時ということでほぼ毎日のように開かれていた。



「帝国軍は何をしていた!?蛮族如きに手も足も出ないとは!!」


「うるさい!!壊滅寸前の状態でこちらの常識が通じない異世界軍相手にどう戦えというのだ!!」


元老院議員のみならずこの場にいる誰もが後悔していた。
そもそも開戦前に2つの『門』の向こうから住民を数人ばかり攫ってきて、片方を「軟弱で戦う気概のない怯懦な民族」、もう片方を「ダイシュリョウなる邪神を盲信する愚鈍な民族」と判断して攻め込んだこと自体が間違いだった。
攻め込んだ先にまさか怪異に変身できるヒト種の悪魔の軍勢がいるとは思ってもみなかった。
こんなことになるならもっと長い時間をかけて偵察し、与し易い相手かどうか調査すべきだった。

現在、アルヌスとオ・ンドゥルゴを陣取るこれらの敵がこれ以上、侵攻してきても何もできないように帝国軍は自滅覚悟で焦土作戦まで行っているが今のところ、十分な効果は確認できていない。



戦争の行く末について議員達が紛糾する。帝国の穀倉地帯であるイタリカが占領されたことは確実に帝国上層部に激しい動揺を産んでいた。
当初は主戦派が多数だった議員達だが戦況が悪化するにつれて講話派の議員が増え、今や元老院の半分が講話派である。



「この辺で講和すべきだ!」

 
講話派議員の1人が勢いよく立ち上がって演説をする。


「なにしろ兵士が足りない!アルヌスとオ・ンドゥルゴでいきなり50万人も死亡したのだ!それを再建させる為に植民地の維持兵や各都市の治安維持部隊まで引き抜いている!!」


ここまでの戦いで帝国軍は総兵力の6割を損失していた。それを補うべく植民地の維
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