暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga13戦導の武神〜King of armed force〜
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ね」と、魔術師化したうえでクリスタルスカルに手を伸ばした。すると隊員とは違い、彼女は何の抵抗も受けずに触ることが出来た。

「おお!」

「さすが特務零課の魔導師! こんなにもあっさりと!」

「セラティナ。とりあえず結界で護っておいてくれ」

「了解」

――小型運搬領域(スモール・キャリアー)――

桃色のキューブ状の結界に覆われたクリスタルスカルが、手の平サイズにまで圧縮された。セラティナは「ルシルが持っておいて」と俺にキューブを差し出してきたから、「判った」と受け取る。防護服のポケットにしまい込み、「さぁ戻ろう」と告げた。

「呆気なかったですね。T.C.の妨害などがあると思っていましたが・・・」

「ああ。しかし油断はしないように。待ち伏せは考えられるからな」

「了解です」

儀式場を出、来た道を歩いて戻っていたそんなとき、ドォーン!と頭上――地上から響く轟音と衝撃が三度、俺たちを襲った。俺はすぐに「こちらナイト2! ナイト1、状況は!?」と通信を繋いだ。明らかに異常事態、敵襲だ。やはり待ち伏せ、もしくは遅刻。どちらにせよ“T.C.”がやって来たのだろう。

『こちらナイト1! T.C.の幹部と思しき魔術師が出現!』

幹部。それは特騎隊内部で決めた事柄で、フォード(仮)、プリウス(仮)の2人のように、幻術魔法などで個々人のトラウマの姿に見えない、特別なメンバーのことを指す。つまり今、地上でシャル達と交戦している“T.C.”メンバーも、大戦当時に活躍した魔術師の生まれ変わりかもしれない、ということだ。

『こいつ、マジで強い! 出来るだけ早く戻ってきて!』

「わ、判った! すぐに向かう!」

シャルとの通信を切り、俺はアイリと「ユニゾン・イン!」を果たし、ミヤビも火力と速度を両立するべく炎鬼の赤い角と風鬼の翠の角を額から生やした。セラティナも魔術師化を保ち、いつでも戦闘できるようにしている。

「すまない。私たちは先行する」

「「はっ! ご武運を!」」

敬礼で見送ってくれる2人の隊員にこちらも敬礼で返し、俺たちは地下道を走り、地上へ通じる穴を梯子ではなく飛行魔法で一気に通過する。そのまま上空へと上がり、戦場の状況を確認。武装隊は避難し、シャル達がたった1人の魔術師を相手に戦闘中。

「おいおい。やっぱりお前の生まれ変わりもいるのか・・・!」

『マイスター? あの人、知ってるの?』

シャル達と交戦している魔術師の外見が、俺の知る男のものと完全に一致。使っている魔術も判る。四王のうち3人目の確認だ。ワックスで固めたきっちりとした七三分けの黒髪、柔和な赤い瞳。首の下から膝上までを覆う黒いタイツの上にキトンを纏っている。何も履かない素足。やはり間違いない。

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