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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第49話:奏にとっての颯人
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たこともあってか、序盤はやや未来の方がぎこちなさを見せたが、そこは流石トップアーティストとして名を馳せる翼。上手く未来をリードしてみせ、すぐに2人の息はぴったり合うようになっていった。
翼は奏が居るから自分は頑張れていると考えているが、翼自身にもその力はあったのだ。今の未来にとって、翼は彼女にとっての奏に等しい存在であった。
どちらのコンビも優れた歌唱力を見せ、傍から聞けば甲乙付け難い勝負と言えた。
果たして、勝負の結果は…………奏・響コンビの得点「92点」、翼・未来コンビ「89点」。
デュエット勝負は僅差だったが奏・響コンビの勝利となった。
「よし!!」
「やった! 奏さん! 私達が勝ちましたよ!」
「ごめんなさい、翼さん。私が足引っ張っちゃった所為で……」
「いえ、謝らなくてもいいわ。寧ろ初めてのデュエットでここまでの点数を取れただけでも十分凄い事よ」
勝利を勝ち取った奏と響はハイタッチを交わし、惜しくも敗北を喫した翼は落ち込む未来を元気付けた。
この勝負が切っ掛けとなり奏と響は更に絆を深め、翼と未来もある種の連帯感の様なものを築き上げるのだった。
***
存分に楽しんだ4人は、最後に響と未来の希望で街を見下ろす高台の上にある公園に向かっていた。先頭を行く響と未来、その後に奏、最後尾に翼が続いた。
丸一日遊び歩いたと言うのに、未だ元気を陰らせない先頭の2人。その後に続く奏も、多少額に汗を浮かべてはいるがそれでも疲れた様子は見せない。だが最後尾の翼は大分息を切らせ、途中で立ち止まり息を整えながら3人について行った。
「翼さ〜ん。早く、こっちこっち〜」
「はぁ、はぁ……3人共、どうしてそんなに元気なんだ?」
「翼さんがへばり過ぎなんですよ〜」
「颯人を追い掛けるのに比べたらこれくらいは、ねぇ」
「今日は慣れない事ばかりだったから……」
翼の疑問の声に、響は元気一杯に、奏は少ししみじみとした様子で答えた。実際、奏にとってはこの程度あまり苦でもなかった。何しろ普段悪戯を仕掛けた挙句逃げる颯人を追い掛ける時は、単純に体を動かすだけではなく時折仕掛けてくる妨害の罠や姿を眩ませる為の偽装などにも注意しなければならないのだ。
それに比べれば、ただ長い階段を上る程度如何という事はない。
「……防人であるこの身は、常に戦場にあったからな。本当に今日は、知らない世界ばかりを見てきた気分だ」
「そんな事ありません。ほら、こっち来てくださいッ!」
何やら含みを持たせた言葉を口にする翼に、奏はパートナーのまだ知らない面を垣間見てやや複雑な気分になった。個人的な感情で戦士となった元一般人の奏と異なり、翼には彼女個人だけでなく彼女の家の意向などが絡
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