NO.012 門の前での騒動
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。
察するに、ここで並んでいる魔物からしかせびったりできない弱いパーティーなのだろう。
後ろの方で三人くらい控えているような感じだし俺の予想はそんなに外れていないとも思うし。
仕方がない。
もうちょいこちらが優位になる様に挑発を繰り返すか。
「雑魚雑魚って……俺がそんなに雑魚く見えるのか?」
「雑魚だろうが!スライムなんて底辺の魔物だろ!!」
「ほうほう……俺がただのスライムに見えると……」
「その通りだろうが! なめやがって……もう生きて帰らせねーぞ!」
そう言って二人とも武器を抜いちゃった。抜いちゃったかー……。
これでもう俺達の方に幾分は分があるな。
遠目で見ていた他の人間たちも巻き込まれたくないと我先にこの場から離れている。
イズクは……欠伸をしている。くそー、俺が頑張っているのに余裕だな。
それでもなにかの予備動作なのか片手を掲げている。
俺が交渉に失敗した時になにかするつもりなのか……?
「ククク……俺がただのスライムだと。いつから俺がただのスライムだと錯覚していたのかね?」
某死神のラスボス級みたいな発言で煽る煽る。
「ただのスライムのくせにえらそうに!」
「その姿が偽物だってんなら正体を見せやがれ!」
「いいだろう……! 見せてやる!」
それで俺は擬態を発動して嵐牙狼族に変化する。
でも、あれ? なんか角が一本増えてね?
調べてみると、どうにも『黒嵐星狼<テンペストスターウルフ>』というランガの上位種に変化していた。
いまはいろいろと考察は後にして、
「どうだ? これが俺の本当の姿だ」
ウソだけど。
だけどこれですこしは怯えてくれるんじゃね?
なんか黒稲妻とか使えるスキルが増えているけどこんなん使ったらあたり周辺が黒焦げになっちまうから威圧だけでなんとかするしかないな。
だけど、やつらはバカだったらしい。
「はったりだろ!見た目だけ厳つくしてもスライムなのには変わらないだろうが!」
「お前らも来い! 全員でやるぞ!」
そう言って残りの仲間も呼び寄せてしまうバカ達。
おいおい。普通……こんな大きい魔物に変化するスライムってだけで事案だろう。
それでも攻撃をしかけてくるって……こいつら本当にただのバカなのかもしれない。
それで何度も攻撃を受けてもダメージは受けないけどうざったくなってきたので、威圧をしようとしたその時であった。
「『告! その場で跪き頭を垂れなさい』!!」
なぜかイズクのそんな叫び声とともにバカ共は顔を青くして武器を手放して本当に頭を垂れてしまっていた。
っていうか、あっぶねぇー。思わず俺も従いそうになるところだった!
大賢者が【告。レジストに成功しました】と言っているけど今回だけはナイスだ!
見れば周りで
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