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レーヴァティン
第百七十一話 見破った伏兵その五

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「その登用制度も」
「官僚どころかとよ」
「指導者層の選定がな」
「もう日本より遥かにたい」
「問題があるな」
「高等法院があって」
 フランス独自の制度だ、その社会の指導者層を育成する為の教育機関でここを出た者が実際にフランスの指導者達となっていく。
「そうしてたい」
「政治家にも高級官僚にもな」
「なっていくとよ」
「その為社会の階級化が進んでいる」
 勿論大企業の経営者つまり財界も高等法院出身者で構成される。あのカルロス=ゴーンも高等法院出身だ。
「そしてだ」
「特権階級化してたい」
「腐敗も起こっている」
「日本も言われているたいが」
「東大法学部出身だけがキャリアになれるか」
「そうでもなかとよ」
 確かにこの学部から進む者は多いがだ。
「それでもたい」
「だからな」
「それでたい」
 まさにというのだ。
「あの人はたい」
「そうしたことをな」
「見ているかというと」
 それはというと。
「絶対にたい」
「見ていないな」
「フランスもやたら褒めるたいが」
 それでもというのだ。
「そうした問題点もあるとよ」
「一体フランスの何を知っているか」
「多分全く知らなかよ」
「そうだな」
「というかです」
 謙二も言ってきた。
「あの人はもう学者というよりかは」
「騒いでいるだけのな」
「タレントさんでは」
「そうかも知れないな」
「言っていることに学問的なものがあるか」
 それはというと。
「全くです」
「ないな」
「ですから」
 それでというのだ。
「拙僧はあの人はです」
「学者とは認識していないか」
「先程も申し上げましたが」
「タレントか」
「その様にです」
 まさにというのだ。
「考えています」
「タレントさんか」
「しかも俳優さんや歌手ではない」
「お笑い芸人か」
「それも面白くない」
「不快なだけのか」
「笑えないお笑い芸人になるでしょうか」
 謙二は英雄にいぶかしむ顔で述べた。
「あの人は」
「そう言われるとな」
「そう思えますね」
「言っていることがあそこまで酷いとな」
 学者と言うよりはというのだ。
「そちらだとな」
「思えますね」
「実際にな」
「というかであります」
 峰夫もどうかという顔で言う、その顔は香織や謙二と同じく話の対象に知性なぞ見出していないものだった。
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