暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第91話『恋人』
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してはいけない。


「まま待って! 結月、ストッ──」



「ハレンチ警察だ!!」



「「えっ」」


その声に振り返ると、服を着たままの智乃が浴室のドアを開けて仁王立ちしていた。






その後、智乃に現場を押さえられ、現行犯で逮捕されてしまった。
今は彼女の部屋で晴登と結月が床に正座をし、智乃はその目の前で椅子にふんぞり返っている。


「弁明は?」

「「ありません……」」


2人きりだからと思って、騒ぎすぎてしまったせいだろう。浴室の防音性能はそこまで高い訳でもないし、智乃に気づかれるのも当然である。
それでいて、2人でお風呂に入っていたことも、ちょっとヤバいことをしていたことも見つかってしまった。何と罵られようと反論はできない。


「家に帰ってきてから何か変だと思ってたけど、まさかそういう関係になってるだなんてね〜」


しかもやけに察しが良い。やはり女の勘は侮れなかったか。無念。


「それじゃ、土産話として全部聞かせてね」

「「はい……」」


今回ばかりは智乃には逆らえない。
結局その後、林間学校で起こったことを洗いざらい全て吐かされた。自分の恋愛事情を説明するとか、どんな仕打ちだよ。

しかもそれだけでなく、明日から1週間、晴登はトイレ掃除を、結月は浴槽掃除を担当することになった。何だろう、ここぞとばかりに仕事を押しつけられた気がする。

全く、今後は学校だけでなく、家でも気疲れしそうだ。やれやれ……。



「……あーあ、お兄ちゃん取られちゃったかぁ。でも結月お姉ちゃんとなら、きっと上手くやっていけると思うな。お兄ちゃんが幸せでいてくれるなら、私はそれだけで嬉しいよ」


智乃はひっそりと、その言葉を心にしまった。

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