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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第91話『恋人』
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わかったよ」


結月に洗ってもらった手前、晴登も背中を流してやらねば不公平というもの。
ため息をつきつつも、晴登は別のタオルに泡を立てて用意する。


「そ、それじゃいくよ」

「あ、ちょっと待って」


互いの場所をチェンジし、いざ洗おうとしたその時、結月が待ったをかける。
晴登は一瞬疑問に思ったが、それはすぐに氷解した。


「……はい、これでよし」

「う、そりゃそうだよな……」


そう、結月は身体に巻いていたタオルを1度解き、身体の前に当てたのだ。
背中を洗ってもらうのだからその行動は当然なのだが、顕わになった背中が何とも扇情的である。


「いつでもどうぞ」

「そ、それでは失礼します……」


タオルをゆっくりと、その背中へ押し当てる。そして、上下に撫でるように優しく動かした。
これで……合ってるだろうか。智乃の背中をこうして流したことはあるが、あれは小さい頃の話だったし、加減がわからないな。


「うん、気持ちいいよ」

「え!? そ、それなら良かった……」


まるで心の中を読まれたかのように結月がそう言うので、つい驚いてしまった。なんか莉奈っぽくなってないか?

……それにしても、小さくて軽い背中だな。強く押せば折れるのではと思うくらいに。
この背中で、彼女は今まで多くの苦難を背負ってきたのだろう。晴登もこの背中に守られたことがある。見た目以上に、大きな安心感があった。


──だから、とても愛おしく思える。



「……ねぇ、ハルトも触ってるじゃん」

「あ、あれ!? 手が勝手に!?」

「ハルトのスケベ」

「俺だけその言われよう!?」


風呂で逆上せたかそれ以外の理由か、ボーッとしていて、つい結月の背中に触れてしまっていた。
慌てて手を離すも、結月は首だけ振り返ってジト目で睨んでくる。


「もう、触りたいならそう言えばいいのに」

「いや誤解だって!」

「なら触りたくないの……?」

「う、えっと、その……」


結月に問い詰められて、晴登はしどろもどろになる。
この場合の「触れる」というのは『スキンシップ』の意味合いであるから、本来なら触れた方が良いのかもしれないが、未だに晴登の中の理性が抵抗を止めようとしない。なんだか、凄くいけないことをしているようで……。


「ハルトが望むんだったら、ボクはそれを受け入れるよ」

「え、ちょ、待っ……!」


しかし躊躇っていた晴登の手を、身体ごと振り返った結月が自ら掴んだ。そして、自分の胸元へと徐々に近づけていく。
いや待て、それはマズい。さすがに晴登でもその危険性は理解している。いかに恋人と言えど、そう易々とその壁を突破
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