間章
間章1 虜囚の嘆き
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合図で盾を掲げた歩兵が互いに集まって密集隊形をとる。この世界の常識からすれば大盾を持った歩兵が密集する亀甲隊形は弓矢などの"飛び道具"には絶大な防御力を発揮する完璧な防御陣形なはずだった。
しかし、今度は密集した歩兵達の近くで爆発が起き、リィグゥ公が吹き飛ばされる。
「う……何が…何が起こったんだ?」
起き上がろうと顔を上げたリィグゥ公が目にしたのは爆発の衝撃と爆風で臓物を撒き散らしながら千切れ飛ぶ自軍の兵士達だった。
「こんなもの……こんなもの戦ではない!!戦であってたまるか!!」
刹那。
ドォォォーーーン!!!
リィグゥ公のいたちょうどその地点に砲弾が飛んできてリィグゥ公の肉体はバラバラに吹き飛ばされてしまった。
一方その頃、オ・ンドゥルゴの陣地では―。
「ワッハハーー!!下賤な異世界人めが!このマシンガンスネーク様からの洗礼を喰らえ!!」
ズダダダダダ!!!!
「バァーフォー!!この俺、タイホウバッファローの砲撃を生きて帰れるかなぁ!!」
ドォォォーーーン!!!
「ズゥーーカーー!!大首領様に見放された哀れな異世界軍将兵はさっさと肉塊になってしまぇぇ!!」
ドーーン!!ドーーン!!
オ・ンドゥルゴ基地の陣地ではマシンガンスネークやタイホウバッファロー、カメバズーカなどの遠距離攻撃が可能な怪人達の制圧射撃が生き残った兵士達の命を容赦無く摘み取っていく。砲撃地点には泥土に埋もれた人間だった物と金属の山が出来上がっていた。
「敵に慈悲はいらん!!皆殺しにしてしえぇぇ!!!」
「「「「イーッ!!!!」」」」
後衛にいたデュランはもはや戦闘ではなく虐殺と呼ぶべき、一方的な攻撃を目にした。震える声でポツリと呟く。
「丘が噴火でもしたのか…?これが…敵の攻撃だというのか?」
それからこの地獄のような光景を眺めて―。
「一旦、自陣の方へ退くぞ。体制を立て直すのだ」
デュランは生き残った数少ない前衛の軍団と共に命からがら自陣の方へ撤退した。中には錯乱状態からかまともに歩けず、獣のように地べたを這いずり回る者もいた。
その夜、自陣の天幕の中で昼間の戦いでなんとか生き残った少数の将軍や王族達を集めて軍議を行った。
軍議に出席した者達の表情は一様に暗く、未知の敵に対する怯えと恐怖が見てとれた。
「リィグゥ公とモゥドワン王は死亡。その他の我ら以外の王は行方不明。軍全体の士気の低下が著しい。おまけに敵に傷一つ与えられておらん」
「三十万はいた諸王国軍が既に半数を下回っている……おまけに敵は遥か遠くから未知
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