赤い暴風
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6月3日、戦力化が完了した赤軍はハンソン自らの指揮の下、空白地帯となったシベリア星系統一を果たすべく行動を開始。鹵獲した少数の巡航艦と駆逐艦に、急ごしらえの武装商船を中心とした60隻の艦隊が出撃した。
翌6月4日、艦隊は収容所惑星ラーゲリを襲撃。僅かばかりの抵抗を排除した赤軍は瞬く間に惑星全土を占拠したのであった。ハンソンが最初にここを選んだ理由は、旧銀河帝国領最大の金鉱山『コルィマ鉱山』の奪取、そしてかつて自分と共に収監された同志達の救出であった。
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「同志ブロンシュテイン!」
ハンソンは担架で運ばれていく男に声をかけた。男の名はレフ・ブロンシュテイン、帝国第一革命からの古株であり、テールマン死後ハンソンの右腕ともいうべき歴戦の革命家である。
「同志ハンソン……来てくれたのですね。」
「ブロンシュテイン、よくぞ生きていてくれた。収容所の散々たる惨状を見た時はもうダメかと思ったぞ。」
「同志ジュガシヴィリのおかげですよ。看守の地位を利用して、あの時の反乱に参加した私達を行方不明扱いにしてくれましたから……」
「そうだったのか……他に誰が生き残っている?」
「反乱に参加した同志で無事な者は私を含めて30名ほどです。ですが皆満足に動くことも出来ませんよ。」
「そうか……いや、それでも君たちが生きていてくれて本当によかった。あとは我々に任せて養生してくれ。」
ハンソンはそう言うと、ブロンシュテイン達傷病者をドイナカンへ移送するよう命じた。
こうしてハンソン率いる赤軍はラーゲリを解放。ブロンシュテインにローゼンフェルド、ラドムイスリスキーら第一革命・ロンドリーナ革命の生き残り30名を救出に成功する。また二月革命後の混乱の最中、囚人たちを率いていた看守ジュガシヴィリとの会談の結果、惑星ラーゲリは正式に軍事革命委員会に編入されることとなった。
その後も赤軍は破竹の勢いで進撃、宇宙海賊など在野の武装勢力も取り込んで勢力を拡大し、6月23日、シベリア星系の解放を果たした。そして9月3日にはイゼルローン回廊側の辺境星域を統一。更に9月13日、無法地帯となっていたシリウス星系に侵攻を開始。かつてハンソン達がコミューンを建国した革命の地、惑星ロンドリーナの解放に成功する。
「愛するロンドリーナの人民たちよ!この地に眠るあまたのコミューンの戦士たちよ!再び社会主義革命の理想を掲げるために、私は帰ってきた!!!」
こうして惑星ロンドリーナを中心としたシリウス星系を解放したハンソンは、帝国暦488年/宇宙暦797年9月14日、『銀河ソヴィエト革命政府』の樹立を宣言する。『共和国臨時政府』・『銀河帝国立憲政府』・『銀河帝国正統政府』・『フェザーン独立国』・『カストロプ公国
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