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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
崩壊-このせかい-
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!命だけは取らないで頂きたいのです!!」
「…。」
沈黙する一同。
しかし追い剥ぎのリーダー格らしい男は「へっ、」と笑うとこちらに歩み寄る。
「中々わかってるじゃねぇか。んじゃあてめぇの有り金とこの女、頂いてくぜ?」
「え…?」
思わず、顔を上げてしまった。
「あ、あの…!」
「あ?なんだよ?」
「持ってるものは全部あげます…ですから僕と彼女の命だけは…!」
「何言ってんだ?そこの女もてめぇの"持ち物"…だろッ!」
強烈な痛みが顎にくる。
蹴られた。
無防備な顔に追い剥ぎは蹴りを入れたんだ。
「ごほ…っ!?」
「大和くん!!」
武蔵ちゃんが叫ぶように俺の名前を呼ぶ。
倒れる俺、笑う追い剥ぎ達、
「よく分かんねぇけどよ、その女"サーヴァント"って言うんだろ?」
「ど、どうしてそれを…!」
何でマスターとサーヴァントの関係性を知ってる?
「おかしなコスプレ野郎を連れた奴らがそこら中にいるから嫌でも分かるしな!それと手の甲の紋章、マスターの証ってやつなんだろ?」
「…!」
というと…もしや俺たち以外にもサーヴァントを連れたマスターがいるのか?
いや、そんなことはどうでもいい!
今は目の前のことをなんとかしなければ
「…。」
そう思い、どうしようかと悩んでいると武蔵ちゃんと目が合う
。
しかし彼女は俺と目が合うなりすぐに逸らし、追い剥ぎ達に視線を戻した…。
…もしかして、いや、もしかしなくても…嫌われた?
当たり前だ…自分のサーヴァントを追い剥ぎ達に差し出しかけたんだから。
そりゃあ…失望されるだろう。
「大和くんはそこでじっとしてて、後は…私が片付けるから。」
そういい、二本の刀をかまえて走り出す。
心を支配する罪悪感、後ろめたい気持ち。
ああ、なんてことをしてしまったんだろう俺は
絶対に嫌われた。
敵に最初から負けを認め、土下座を決め込んだのだ。
きっとその時の俺は…彼女からしてみればさぞ情けなく見えたろう。
「俺は…」
俺は…なんて情けなく、なんて弱いのだろう。
こんな男が…武蔵のマスターでいいわけがない。
俺は…
俺は…。
「…?」
武蔵ちゃんが追い剥ぎを次々と切り捨てて行く中、
自分の情けなさから来る行き場のない悔しさで握られた拳に何かが走る。
電気…?
今俺の手に…電気が走った?
「そうだ…ダメだ…。」
武蔵のマスターにふさわしくない…?
いや、だったら…ふさわしくなればいい…!
武蔵ちゃんは…俺のサーヴァントなのだから!
「おお?どうした土下座の兄ちゃん?」
「ダメなんだ…このままじゃダメなんだ…!!」
立ち上がる。
置いた護身用の竹刀を手に取り
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