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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
崩壊-このせかい-
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う意味じゃなく…。」

何かの縁があるかも…。
そう思ってなんだかんだ持っている。
しかしそれでは武蔵ちゃん的には良くないらしい。

「その…ある程度自分でもやらなきゃなってさ…む、昔剣道やってたから腕にはそれなりに自信もあるよ…は、はは。」

苦笑いで誤魔化すも、彼女はムッとしていた。
けど

「まぁ…いいでしょう。でも大和くんは"戦う"のでは無くあくまで"守る"ために使うこと!いいわね?」

当然だ。
俺なんかが竹刀一本手にしたところでモンスターに勝てるわけがない。
あれだってムシュフシュが手負いだったからだし何よりただ気絶させただけだ。
思い上がっちゃいけない。

「おい、ちょっとそこの白髪のカップル」

そう気を引き締めた時、いきなり後ろから声をかけられた。

「え、えぇ?カップルって」
「そう、そこのあんたらだよ。」

振り向いてみればいかにもな強面の男。
そしてカップルと呼ばれ何度も確認して自分を指さす武蔵ちゃん。
あ、そうか。俺今白髪なんだっけ。

「随分と派手なカッコだな姉ちゃんよ、えぇ?」
「そう?これはまだ控えめな方なんだけど…?」

品定めするかのように武蔵ちゃんを見る強面の男。
筋骨隆々であり、この世界を生き抜いていくには充分な体格をしていた。
彼は生存者だろう。
だが、

「んじゃその腰にぶら下げてるモンと有り金、全部置いてけや。」
「はい?」

生存者だからといって、いい人とは限らない。
嫌な予感が的中した。
彼は俗に言う、追い剥ぎだ。

「だろうと思った。」

大して慌てもせず、武蔵ちゃんは表情ひとつ変えず刀を抜く。
追い剥ぎも懐からナイフを取り出し、切っ先を彼女に向ける。

それだけじゃない。

「周りからこんなに…!隠れてたのか!?」

物陰や廃墟から続々と出てくる仲間と思しき奴ら。
皆手にはナイフやら鉄パイプやらと武装している。
そう、
世界が崩壊してとうに1週間経っている。
文明は滅び、社会のルールや法律は機能しなくなった。
そうなると強い者が生き残るという原始のルールに戻る。
つまり、欲しけりゃ奪い取る。弱者はただ搾取されるのみ。
この世界では必要不可欠なのは、"力"だ。

「大和くん!下がってて!」
俺の前に出、武蔵ちゃんは下がるよう促す。
だが相手は10人以上いる。サーヴァントでも勝てるのだろうか?
そう思ってしまった俺は

「すいませんでしたァ!!」
「へ?」

財布とスマホ、ポケットに入ってるものは全部地面に置き、そのまま土下座した。

「え…ちょ…大和くん…?」
「持ち物はこれで全部です!中身は少し寂しいですが心置き無くお使いください!!ですからどうか命だけは…!
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