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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第一章
なかなか雪ノ下 雪乃に話を聞いてもらえない俺は中身が歪んでいる。
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聞こえたのだけれど..。そんなことを自信満々で言えるなんてある意味すごいわね...。変な人たち。もはや気持ち悪いわ」
「うるさいな、あんたも十分変な女だ。」
 本当に変な女だ。俺と比企谷の話を聞いてなかったのか? つーか、もう帰って良い?

「ふうん。私が見たところによると、どうやらあなた達がひとりぼっちなのってその腐った根性や捻くれた感性が原因みたいね」
 雪ノ下は握り拳に力を込めて熱弁を振るう。

「まずは()(たま)れない立場のあなた達に居場所を作ってあげましょう。知ってる? 居場所があるだけで、星となって燃え尽きるような悲惨な最期を迎えずに済むのよ」
「『よだかの星』かよ。マニアックすぎんだろ」
「そうだな。普通以上の学力がないとわかんないと思うぞ今の話」
 俺たちの反駁(はんばく)に雪ノ下は驚いたようだった。

「...以外だわ。宮沢賢治なんて普通以下の男子高校生が読むとは思わなかった」
「今、さらりと劣等扱いしたな?」
「さっき俺、俺達には普通以上の学力があるって言っただろ。なんで聞かないんだ?」
 人の話はよく聞いておくべきだと思いました。

「ごめんなさい。言い過ぎたわ。普通未満と言うのが正しいのよね」
「よく言い過ぎたという意味か!? 学年三位って聞こえなかったのかよ!」
「三位程度でいい気になっている時点で程度が低いわね。だいたい一科目の試験の点数ごときで、頭脳の明晰さを立証しようという考えがもう低能ね」
 ...ひどい言われようだな比企谷。それにしても初対面の男子を劣等種扱いするとか、俺にはサイヤ人の王子ぐらいしか心当たりがない。
 とにかく比企谷は低能扱いされたけど全科目が平均的に良い俺は劣等種扱いを免れたようだ。頭、悪くなくて良かった。

「でも「よだかの星」はあなたにとってもお似合いよね。よだかの容姿とか」
「そ、それは比企谷の顔面が不自由だと言ってるのか?」
「あら、そんなこと言えないわ。真実は時に人を傷つけるから...」
「「ほぼ言ってるじゃねぇか!」」
 すると雪ノ下はひどく深刻そうな顔で比企谷の肩を優しく叩いた。

「真実から目を背けてはいけないわ。現実を、そして鏡を見て」
 ...ひどいな。比企谷泣くぞ。
 ―と、思ったのだが、意外にも比企谷は元気だった。

「いやいやいや、自分で言うのもなんだが顔だち自体は整ってる。妹からも『お兄ちゃんずっと喋らなければいいのに...』と言われるほどだ。むしろ顔だけがいいと言ってもいい」
「えっ? 比企谷それ...」
 ...駄目だ! 大好きな妹に顔がいいと褒められたと思って少し嬉しそうな顔をしてる比企谷に向かって「それ絶対その妹さん、お前に呆れて言ってるよ」なんて真実を告げることは俺にはできない
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