第一章
なかなか雪ノ下 雪乃に話を聞いてもらえない俺は中身が歪んでいる。
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たいこんなん分かるわけがない。クイズを出すならもっと簡単な問題にしてほしい。「家が大火事、涙が洪水、なぁんだ」みたいな。それただの火事だ! しかもクイズじゃなくてなぞなぞだし。
「比企谷くん。桐山くん。女子と話したのは何年ぶり?」
なんだ突然。俺の経絡をぶち壊すようなことを言いやがって。ぶち壊すのは幻想だけにしておけ。
それと『何年ぶり』とか年単位で聞くなよ! 失礼なやつだな。
二年ぶりだよっ!
...絶望したっ!女子と全く会話がなかった自分自身に絶望したぁっ!
俺も比企谷も女子との会話に関してろくな思い出がなかったようだ。
俺たちがバッドトリップしていると、雪ノ下は高らかに宣言した。
「持つ者が持たざる者に慈悲の心をもってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAを、ホームレスには炊き出しを、モテない男子には女子との会話を。困っている人には救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ」
へぇ、モテない男子である俺たちに会話をしてあげたつもりなんだね。そりゃどうも。...って悪口の間違いだろ。
少なくとも俺と比企谷は救われてない。どっちかというと傷つけられた。
誰でも良いから早く俺たちをこの雪ノ下 雪乃の暴言から救ってくれ...。
雪ノ下は立ち上がると自然、俺達を見下ろす形になっていた。
「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ」
...とても歓迎しているとは思えないんですけど。
比企谷なんてちょっと涙目になってるじゃないか。
俺たちの心が思いっきりへこまされたところで、さらなる追い討ちがかかる。
「平塚先生曰く、優れた人間は憐れな者を救う義務がある、のだそうよ。頼まれた以上、責任は果たすわ。あなた達の問題を矯正してあげる。感謝なさい」
ノブレス?オブリージュ、というやつが言いたいのかな。確か意味は貴族の務めとか、なんかそんな感じだ。
今腕を組んでいる雪ノ下の姿はまさに貴族。 実際、雪ノ下の成績やら容姿からして貴族という言い方はあながち間違っていないだろう。
「こんのアマ...」
「調子に乗りやがって」
ほんと調子に乗っていやがる。
俺たちが憐れむべき対象ではないことを今俺が持てる最大限の国語力で説明してやらなければっ!
「...俺はな、自分で言うのもなんだが、そこそこ優秀なんだぞ? 実力テスト文系コース国語学年3位! 顔だっていいほうだ! 友達がいないことと彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!」
「比企谷の言う通り俺たち頭は悪くない方だと思う。俺だってテストはすべての教科で10位以内をキープしてるし顔もそこまで悪くないと思ってる。友達と彼女がいないこと以外はかなり優秀なんだぞ?」
「二人とも最後に致命的な欠陥が
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