第一章
なかなか雪ノ下 雪乃に話を聞いてもらえない俺は中身が歪んでいる。
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似ているなぁ...、とでも思っているのだろうか、どっちだろう。...たぶん後者。
いや、今はそんなこと思い出している時じゃあないだろ比企谷。
「あの、さっきから俺達の更生だの変革だの改革だの少女革命だのと好き勝手盛り上がってくれてますけど、俺達、別に変化なんて求めてないですよ」
俺がそういうと、平塚先生は小首を傾げた。
「ふむ? 比企谷も、それは本当なのか?」
「ええ、まぁ桐山が言った通り、別に求めてないんすけど...」
「何を言っているの? あなた達は変わらないと社会的にまずいレベルよ?」
雪ノ下はまるで「戦争反対。核武装を放棄せよ」くらいの正論を言うような顔で俺と比企谷を見た。
「傍から見ればあなた達の人間性は余人に比べて著しく劣っていると思うのだけれど。そんな自分を変えたいと思わないの?向上心が皆無なのかしら」
「そうじゃねぇよ。...なんだ、その、変わるだの変われだの他人に『自分』を語られたくないんだっつの。だいたい人に言われたくらいで変わる自分が『自分』なわけねぇだろ。そもそも自己というのはだな...」
「自分を客観視できないだけでしょう」
雪ノ下が比企谷に割って入った。せっかく比企谷の深イイ話を聞けると思ったのに。
「あなた達のそれはただ逃げているだけ。変わらなければ前には進めないわ」
少し腹が立った。
「前に進めないとか言われても俺は何もしたくないし、前とやらに進めなくても結構ですよ?」
その「前」とやらは一体なんのことを指しているんだろうね? なんにもなくて、つまらない社会や現実のことかな?
だとしたら無駄な努力も甚だしいね。そんな空っぽなモノのために無駄な努力も活動も呼吸すらもしたくないんですけど。
俺がつまらないことを思い出していると比企谷が言う。
「逃げて何が悪いんだよ。変われ変われってアホの一つ覚えみたいに言いやがって。じゃあ、お前はあれか、太陽に向かって『西日がきつくてみんな困っているから今日から東に沈みなさい』とか言うのか」
「詭弁だわ。論点をずらさないでちょうだい。だいたい、太陽が動いてるのではなく地球が動いてるのよ。地動説も知らないの?」
一々ウゼェな。むかつくから言い返えそうかと思ったけどバカ相手にぶちギレて反論すること自体めんどくさくてバカらしいから比企谷にまかせようか...。
「例えに決まってんだろ! 詭弁っつーならお前のも詭弁だ。変わるなんてのは結局、現状から逃げるために変わるんだろうが。逃げてるのはどっちだよ。本当に逃げてないなら変わらないでそこで踏ん張んだよ。どうして今の自分や過去の自分を肯定してやれないんだよ」
俺は比企谷の頭がいいとか顔がいいとは思わない。でも尊敬はしてる。なんというか、ぼっちであることを否定せ
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