第一章
なかなか雪ノ下 雪乃に話を聞いてもらえない俺は中身が歪んでいる。
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の話だが。
彼女は来訪者に気づくと本に栞を挟み、顔をあげた。
「平塚先生。入るときにはノックを、とお願いしていたはずですが」
彼女は端正な顔立ち。流れる黒髪。...かなりの美少女だ。
だが、それでも俺は彼女に見惚れてしまうことはなかった。
隣にいる比企谷は不覚を取ってしまったようだが俺は興味の無いことにはとことん無関心な性格だ。
勿論、中学生のときだったら俺も眼を奪われていただろう。だが高校生にもなると気づくのだ。期待することには何の意味も無いと。
だから俺はいつの間にか何事にも期待しないようになっていた。そして、そのうちに物事に対する興味も薄れていったというわけだ。
そう考えると俺はやはり異常な感性を持っているのだろう。
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間もなく、先生が入ってくるんですよ」
彼女は不満げな視線を俺と比企谷に送る。
「それで、そこのぬぼーっとした人と凄く面倒くさそうな顔をしている人は?」
彼女の名前は雪ノ下雪乃。名前と顔は知っているが当然会話をしたことは無い。言っちゃうとそれ以外の人との会話も無い。
それと俺は面倒くさそうな顔をしてるんじゃない、面倒くさいんだ!
ついでに言うと彼女はかなりの、そう学校一と言っても良いくらいの美少女。まぁ、女子の顔なんて覚えてないから学校一という表現をしていいのか迷うが。
「彼は比企谷。で隣が桐山。入部希望者だ」
平塚先生に促されて、俺と比企谷は会釈をする。まぁ、この流れで自己紹介タイムに入るのだろう。
「二年F組 比企谷 八幡です。えっーと、おい入部ってなんだよ!」
「同じく二年F組 桐山 霧夜と言います。そうだぞ比企谷もっと言うんだ!」
まったく入部希望だと!たまったもんじゃないよ、俺の快適帰宅ライフになにをするつもりだ!
つーか、そもそも入部って何処へ?
「君等にはペナルティとしてここでの部活動を命じる。異論反論抗議質問口答えは認めない」
質問もしちゃいけないの?
「しばらく頭を冷やせ。反省しろ。」
どうやら本当に俺達に抗弁の余地はないみたいだ。平塚先生は怒濤の勢いで判決を申し渡す。
「というわけで、見ればわかると思うが彼等は相当根性が腐っている。そのせいでいつも孤独な憐れむべき奴等だ」
前々から気にはなってたけど見ればわかるのか? それと、憐れんで貰わずとも結構!余計なお世話だ。
「人との付き合い方を学ばせてやれば少しはまともになるだろう。こいつらをおいてやってくれるか。彼等の孤独体質の更生が私の依頼だ」
先生が雪ノ下に向き直って言うと、彼女はとても面倒くさそうに口を開いた。
「それなら、先生が殴るなり蹴るなりして躾ればいいと思うん
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