最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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に伝わる伝説の存在が現れているんだ。……世界の危機を救うために、“世界そのもの”が戦っている」
「………」
ティーダもとこよ達を通じて何が起きているのかは理解している。
だが、ティアナはピンと来ていないようだ。
「英雄が、神様が、そして今を生きる全ての生き物が、抗っている。……俺がこうして戻って来たのも、それが理由だ」
「……じゃあ、生き返った訳じゃなくて……」
「死んだままだ。……俺がここにいるのも、一時的なものなんだ」
また別れる事になる。
そうティアナは理解して、泣きそうになる。
「……元々、死人がこうして現れる事自体、あり得ない事なんだ。納得してくれなんて言わない。だけど、そうまでして守りたいモノがある事は、理解してほしい」
「守りたい、モノ……」
「故郷や世界を守るため……家族を、守るためだ」
「っ……!」
そう言って、ティーダはティアナの頭を撫でる。
ティーダが明確に何を守るためかは言っていない。
だが、何が言いたいのかティアナにはよくわかっていた。
「そのためなら、俺は魂だけでも舞い戻ってくる」
敵の襲撃によって開けた更地にティーダは着地する。
同時にティアナを降ろし、振り返りざまに霊力の弾丸を撃った。
「そういう訳だ。誰が相手だろうと、負けるつもりはない」
その弾丸は理力の障壁に阻まれていた。
だが、弾丸が消える前に魔力弾を弾丸に当て、炸裂させる。
「……直接戦闘に長けるタイプじゃないな。おそらく、概念や事象に干渉するタイプ。……あぁ、だけど……」
ルビアとサフィアの牽制で敵の“天使”が足止めされる。
その間に、特殊な弾丸を装填。撃ち放つ。
「それで、ランスターの弾丸は止められない!」
理力の障壁を貫き、弾丸が“天使”の頭を射貫く。
だが、倒れはしない。
「ッ……!」
先程の一撃は、助けに入った直後だからこそ“意志”が強かったのだろう。
しかし、それは最早関係ない。
一撃で倒せなければ何発も撃ち込めばいいとティーダは判断する。
「……お兄ちゃん……」
その後ろで、ティアナは懇願するように祈る。
兄に勝ってほしいと、以前までの呼び方で呟きながら。
自分を守るために蘇った英雄のために。
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