最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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そんななのは達の奮闘の余所に、街では誰もが逃げ惑っていた。
ティアナ・ランスターもその一人だ。
リンカーコアがあるとはいえ、ティアナは戦う術を持たない。
前回の襲撃で避難はしていたが、その避難場所が破壊されたため、逃げていた。
「(どうしたら……!)」
耳を澄ますまでもなく、遠くから悲鳴が聞こえてくる。
同じように逃げていた人が襲われたのだろう。
「ぁ―――」
その時、攻撃の余波で崩れてきた建物がティアナの視界に映る。
ティアナ自身もその余波で転び、避ける事が出来なくなっていた。
潰されても死ぬ事はないが、それでも来るだろう痛みに目を瞑った。
「―――無事か?ティアナ」
「え……?」
だが、その痛みはやってこない。
それどころか、聞き覚えのある声に、ティアナは思わず見上げた。
「兄、さん……?」
それは、死んだはずの兄の声だった。
今はティアナを守るように背を向けているが、それでも見間違えようがない。
「……前みたいに“お兄ちゃん”とは呼んでくれないんだな……。まぁ、それだけティアナも成長したって事か」
「生きて、いたの……?」
驚きを隠せないティアナ。
ティーダはそんなティアナに返事を返す前にティアナの体を抱えて飛び退いた。
直後建物の瓦礫を防いでいた障壁が瓦礫ごと消し飛ばされる。
「さすがに見つかるか」
「っ……!」
三層の障壁で余波を防ぐと、周囲にあったはずの建物は全て更地になっていた。
そして、そこへ“天使”が降り立つ。
「兄さん……!」
「説明は後だ。……ティアナを守るために来た。今はそれだけ分かっていればいいさ。とにかく、俺の前には出るなよ……!」
そう言って、ティーダは二丁の拳銃を構える。
デバイスは持っておらず、拳銃は幽世でとこよ達によって作成されたものだ。
デバイスのような補助機能はないが、代わりに霊術的な機構が存在する。
「妹には、指一本触れさせない!!」
霊力による弾丸が放たれ、戦闘が開始された。
「この程度!」
理力の剣によって弾丸は弾かれてしまう。
だが、そんな事はティーダも想定している。
「行けッ!!」
一発目は牽制でしかない。
既に第二波として複数の魔力弾を用意、一気に放つ。
さらにティアナを抱えてその場から離脱。霊力の弾をさらにまき散らす。
「魔力……じゃない?」
「霊力だ。生命に必ず宿るそれこそ生命力のようなもの……。地球で会得した、俺の新しい技術さ」
一発魔力弾を放ち、霊力の弾に込められた術式を起動させる。
多数の霊力の弾を基点に、一つの檻となる。
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