最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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あろうと、戦う意志さえあれば、戦えるようになる。
それに気づいた者は、全体の3割にも満たないが、力及ばずとも戦おうと思った者は全員気づいていた。
「………そういう事だ。あたし達も、反撃と行くよ」
それを幽世で聞いていた紫陽が、周りを見渡しながら言う。
幽世にいる式姫や妖は既に戦いに出張っている。
ここにいるのは、紫陽ととこよ、そして幽世に来た避難民と以前の幽世の大門の時に死んでしまった者達だ。
「魔導師連中は現世にいる魔導師と合流。その後は好きな場所で戦ってもいい。退魔士も同じく現世の退魔士と合流しな!
さすがに戦闘を知っている魔導師と退魔士の行動は早かった。
紫陽の指示を受けた直後から、すぐに現世への門を潜っていく。
その後は、言われた通り同僚と合流するだろう。
「その他、戦う意志がある連中はあたし達の武器を貸す!……なに、本来死ぬような攻撃を受けても、あんたらが諦めない限り、負けないよ」
「け、けど……」
「だったら、ここで怯えて守られているかい?別に、それをあたしらは責めはしないさ。……だけど、あんたらにも守りたい存在があるんじゃないのかい?」
大門の件で死んだ者は、それなりの数がいる。
単に逃げ遅れた者や、最初に被害に遭った者。
……そして、誰かを守るために囮になった者も。
「ッ……」
「あんたらが死んだのはあたしらの責任だ。そこは変わらないし、時間を掛けてでも償う気さ。……でも、根本の原因は今襲ってきている連中だ」
誰かを守るために奮起した者もいる。
しかし、それ以外の者はまだ萎縮していた。
そんな相手に、紫陽は今度は怒りや憎しみで焚きつける。
「一発ぐらい、一泡吹かせてやりな!周りは味方だらけなんだ、あの声も言った通り、恐れる必要なんてないんだからさ!」
「……や、やってやる!俺はやってやるぞ!」
一人が、恐怖を抑えるようにそう言った。
そうなれば、後は連鎖的に立ち上がっていった。
「良く言った!なら、武器を取りな!そして、あたしととこよについてきな!」
紫陽ととこよが先導し、残りの者達も武器を手に取ってついて行く。
戦力としてなら、結局は紫陽ととこよ以外大した事はないだろう。
だが、重要なのは“戦う意志”だ。それさえあれば、敵と戦う事が出来る。
そして、人々が“意志”を強く持てば、それだけ世界の“領域”が強まるのだ。
故に、紫陽は人々を鼓舞したのだ。
「………」
それでも、戦う事を恐れ、残った者もいる。
その事を責める者はいない。何せ、周りの者も同じ気持ちで残ったからだ。
「―――何を辛気臭い顔をしておる」
そこへ、一人の女性が声を掛け
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