最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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立ち上がろうとした所を壁に叩きつけられる。
そして、トドメの集中攻撃が放たれる。その瞬間。
「トケ!!」
「なに……!?」
指示を出していた神に、一匹の猟犬が噛みついた。
それにより、僅かに攻撃が遅れる。
その間にコロボックルはその場から助け出された。
「行って!貴方達!」
さらに、北海道に住まう様々な野生動物が神に襲い掛かった。
本来なら大した事がない鳥なども、何かで強化されているのか侮れない強さを持っており、その事に神は狼狽える。
「大丈夫?アイヌの小人さん」
「なんとか……」
そう言いながらコロボックルは立ち上がり、助けてくれた“少女”を見る。
その少女はまるで雪ん子を連想させるような青白い衣装に身を包んでいた。
「私はシトナイ。この世界を守るために、一時的に現代に蘇ったわ」
見知らぬ少女に、コロボックルは誰なのか尋ねようとして、先に答えられる。
シトナイ……それは、アイヌの伝承にある大蛇を討伐した少女の名だ。
「邪魔だ!」
その時、敵が理力を放出し、襲い掛かっていた動物達が吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた動物達は各々体勢を立て直して着地する。
「私以外にも、アイヌの伝承に残る様々な存在が召喚されているわ。……まだ行けるわねアイヌの小人さん。……私達で、ここを守るわよ!」
「……わかったヨ!」
コロボックルは奮い立つ。
このまま一人では、結局負けていただろう。
それでも、“何とかする”と優輝達に言われていたため、信じて戦い続けた。
その結果が、シトナイ達アイヌの英傑の登場だ。
仲間がいるのなら、もう諦観なんてする必要はない。
「吼えよ我が友、我が力!!」
シトナイの号令と共に、反撃が始まった。
『聞け!世界に生きる、全ての生命達よ!』
声が直接脳に響くように聞こえる。
その声は、男性にも、女性にも聞こえた。
『今、汝らの願いは聞き届けられた!異界より現れし神々を退けるため、世に刻まれた我らが手を貸そう!』
それは、世界の“意志”であり、各地に現れた存在達の声だ。
意志を通じて言葉の壁なく、声が伝わる。
『剣を取れ!周囲を見ろ!そこに汝らの守るべきモノがあるのなら、立ち上がれ!恐れる事はない、汝らには神が、英雄がついている!』
既に、世界の各地で戦況が変わっている。
蹂躙されるだけだった戦闘から、拮抗した戦闘へと。
歴史に刻まれた様々な神や英雄達が現れ、神界の神々へと牙を剥いたのだ。
『決して、この世界を好きにさせるな!』
声が力となり、世界に満ちる。
ただの一般人で
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