最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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ゼ姉妹もギル・グレアムも完全に心が折れていた。
むしろ、潔く死ねた方が万倍もマシだっただろう。
神界の神に対し、中途半端に戦える力があったために、何度も殺されていたのだ。
「………」
立ち上がろうとして、力が入らない。
心が折れたために、膝立ちの状態で呆然としていた。
そんな三人に、襲って来た“天使”がトドメを刺そうとする。
手始めなのか、見せしめなのか、最初に標的となったのはリーゼロッテだ。
「ロッテ―――」
リーゼアリアの声が虚しく響く。
直後、理力の剣が振るわれ―――
「なっ……!?」
―――世界が淡い光に包まれた。
同時に、理力の剣が別の剣に阻まれた。
「無事か?」
「……君は……」
リーゼロッテを庇うように、一人の青年が立っていた。
まさに物語の騎士のような青年に、ギル・グレアムは恐る恐る声を掛ける。
「下がっていてくれ。ここは、我らに任せてくれ」
そう言って、青年は“天使”を退ける。
力強い剣技により、理力の剣を弾き飛ばす。
「告げる!円卓の騎士達よ!ブリテンを……否、世界を救うため、今再びアーサー・ペンドラゴンの下へ集え!」
そして、剣を掲げてアーサー王は宣言した。
「アーサー、王……!?」
その名をイギリス生まれのギル・グレアムが知らないはずがなかった。
かの有名なアーサー王伝説、その主役でもあるアーサー王なのだから。
「異界より来た蛮族よ、ここからは勝手はさせない……!」
何人もの騎士を連れ、アーサー王はそう宣言した。
同時刻、日本では……
「ッ……!」
各地に式姫が散らばり、それぞれが思い入れのある場所を守っていた。
その中の一人、コロボックルは北海道で激闘を繰り広げていた。
……厳密には、防戦一方で耐え凌いでいる状態だった。
「そこだヨ!」
鋭い一射を反撃として放つ。
しかし、理力の障壁で阻まれ、再び弾幕に襲われる。
これでも、つい先程よりはマシな戦況になったのだ。
世界中が淡い光に包まれた瞬間、コロボックルは力が漲るのを感じていた。
おかげでただ蹂躙される状態から、防戦一方まで持ち込めている。
……尤も、そこ止まりだが。
「負けられない……!負けられないんだヨ!」
弾幕に晒されながらも、懸命に反撃を放ち続けるコロボックル。
だが、怯みはしてもそこから一転攻勢にはならない。
防戦一方は続き……ついに、直撃を喰らってしまった。
「ぁ、ぐ……!」
吹き飛ばされ、
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