最終章:無限の可能性
第259話「蘇りし英雄達」
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「準備はよろしいですね?」
「はい……!」
各地で戦闘が開始されている中、地球には司と祈梨がいた。
二人を守るように、他の面々が戦っている中、二人はただ“祈る”。
「“世界”には全ての記録が刻まれています。星の誕生も、その地で起きた全ての事象も、人々が紡いだ英雄譚も、そしてあまねく全ての滅びさえも」
「………」
“根源”へと、二人は近づいていく。
物理的ではなく、“祈り”を届けるように、想いが近づく。
「あのイリスにより、この世界の“可能性”は拓かれました。……既に土台は出来ています。私たちは、人々の祈りに耳を傾けるだけでいいのです」
「………」
司は目を瞑り、心を落ち着けていく。
すると、聞こえてくる。
世界中から響く、救いを求める声が。
「聞こえるでしょう。地球だけでなく、この世界全ての生命の声が」
「……皆、助けを求めてる……」
「イリス達による攻撃に、皆晒されているのです」
“誰か助けてくれ”と、強い祈りが司に届く。
その祈りは強いだけでなく、数が多い。
まるで嵐に晒されるように、司はその祈りに精神を揺らされる。
「それらの祈りで、“世界”の後押しをすれば、抑止の力が働きます」
「抑止……?」
「……世界そのものの意志が、危険を排除しようと動くのです。天変地異だろうと、過去の何かを蘇らせようと、とにかく何か抑止となる存在を生み出します」
このまま司達が何もしなくとも、抑止の力は働くだろう。
否、既に“領域”として敵の“性質”を抑圧している。
それだけでは足りないからこそ、司達で後押しするのだ。
「行きますよ。人々の祈りを、今こそ解き放ちなさい……!」
「ッ……はい!」
―――“我、聖杯に願う”
二人同時に、杖を掲げる。
直後、二人に集中していた救いを求める“祈り”が解き放たれた。
極光が立ち昇り、一際強い光が上空に顕現する。
「「……来たれ!抑止の力よ!!」」
―――“世に刻まれし兵達よ”
そして、その光が弾け飛び……世界中が淡い光に包まれた。
「ぁ、ぐっ……!?」
「ロッテ!」
一方、地球のイギリスにて。
ここには誰も戦力として配置していなかったが、戦える者はいた。
闇の書事件以来隠居していたギル・グレアムと、その使い魔のリーゼ姉妹だ。
だが、当然ながら三人で抑えられる程敵は弱くない。
先の襲撃に続き、完全に遊ばれていた。
「ッ……!」
度重なる蹂躙に、リー
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