暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga11-B勝敗の行方〜victory or defeat〜
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


ルミナ達からの『了解!』に遅れて、シャルの『もちろん! ちょうどドライヤー掛け終わったから!』と、サウンドオンリーと表示されたモニターからバタバタ慌ただしい音が続く。彼女たちとの通信を切り、俺もトランスポートへ向かう。

(座標は変わっていないな。皮膚の下に発信機があるとは思わないだろう)

万が一察知されたとしても皮膚の上から見えないため外科手術で取り除けないし、有機質であるから魔法や金属探知にも引っ掛からない。撃ち込めたその瞬間、俺たちの勝利は確定した。ただ問題があるとすれば、それは効果範囲。スカラボ特製とは言っても限界がある。その範囲から出ないことを祈るしかない。

「みんな揃ってるね」

俺とアイリがエントランストランスポートに着いてから1分とせずにシャル達が揃った。シャル
と俺の前に整列しているアイリ達を見る。短すぎてちゃんと休息できたか不安だったが、疲労などおくびにも出さない。本当に頼りになる騎士たちだ。

「ルシル」

「ああ。発信機の信号は相変わらず第52無人世界トライキスからだ。1ヵ所に留まっているようなら不安しかないが、世界内で移動しているのを確認できた」

「そういうわけだから、これからトライキスに降下。T.C.をもう一度捕まえる。転移スキル持ちの別のメンバーが居ると思うから、降下後にT.C.を確認したらセラティナ、結界をお願い」

「了解!」

『トライキスへの転送準備が整いました。セインテスト副隊長、座標をお願いします』

ブリッジからの通信に俺は座標を伝え、10秒後に一斉転送を行うことになった。俺たちは魔術師化、騎士服への変身、デバイスの起動と、戦闘準備をすべて終えた。そうして俺たちはトライキスへと転送。
今でこそ局はこの世界にトライキスと名を付けたが、かつては別の名前だった。スパリンスヘイズ。土石系魔術を得意とする魔術師を多く輩出した、“アンスール”の地帝カーネルや雷帝ジークヘルグの治めてた世界ニダヴェリールの同盟国だ。

(今となっては無人の、荒野と岩石地帯しかない、寂しい世界となっているな・・・)

さて、問題の“T.C.”だが・・・。見回しただけでは視認できない。発信機の信号を確認するため手元にモニターを展開し、「こっちだ!」と信号を目指して駆け出す。たどり着いたのは山を削って造り出された宮殿跡。所々が崩壊しており、かつての荘厳さは失われている。

「信号はこの中からだ」

「・・・かなり風化が酷い。下手に戦闘をしたら崩壊するかも」

「そこは私の結界で抑えるよ」

「なら大丈夫か。んじゃ、行こうか」

シャルを先頭に宮殿跡に進入する。人間だった頃にジーク達と共に訪れたことがあるが、当時の面影は本当に残っていないな。

「(確か地下への階段が
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ