暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga11-B勝敗の行方〜victory or defeat〜
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認めさせてやりたい。そして可能ならフォードの記憶と魔術を封印しておきたい。魔術を悪用されないために、フォードの転生体である彼の人生をめちゃくちゃにさせないために。

「滑稽だなぁ! 哀れだなぁ! 知っている側が、知らない側を見るのがこんなにも楽しくて、面白いものだなんて知らなったぜ!」

「いったい何を・・・?」

「お前は俺様を追い詰めていると考えているようだがそいつは違うぜ。お前をどん底に突き落せる手段が俺様にある」

その眼を見れば嘘ではないと思うが、俺が何を知らないって? お前が俺の何を知っていると? ならばそれを含めて教えてもらおうじゃないか。だから「言ってみろ。本当に俺をどん底に落とせると思うならな」と笑ってやる。

「いいぜぇ。お前の顔が曇るのを見届けてやんよぉ! お前はなぁ! k――」

「っ!?」『え・・・?』

奴が何かを言いかけたその時、奴の口にポンっと穴が開いた。向こう側が見えない、まるでブラックホールのような真っ黒な穴だ。俺とアイリが驚いているその僅かな間に、口に空いた穴へと奴の体が吸い込まれ始めた。

「アイリ!」

『ヤヴォール! ロートス・アンカー!』

何をしろ、と指示しなくても俺の意を汲み、アイリは俺の前面にベルカ魔法陣を展開し、先端が蓮の形をした氷のアンカー8本を射出。穴に吸い込まれそうになっている奴の両脚にグルグルと魔力縄が絡みつき、先端のアンカー8つが腰の辺りで重なり合ってガキン!とロック。

「チェーンバインド!」

俺も続けて鎖状のデバイスで奴の体を拘束するが、そんなもの無駄だと言うように奴の体がグニャリと歪んで、俺とアイリのバインドから逃れた。奴の体が渦を巻くようにして穴に吸い込まれていくのを、俺とアイリは黙って見届けるしか出来なかった。奴の体が完全に穴の中に消え失せ、穴も収縮を始めた。

「せめて・・・!」

――発見せよ汝の聖眼(コード・イシュリエル)――

カメラ効果を持つ魔力スフィア――イシュリエルを1基、ねじ込むように撃ち込んだと同時に穴は閉じた。結局逃げられてしまった。だが、これで終わりなんかじゃない。

「全艦に緊急連絡。T.C.メンバーが転移スキルによって艦内より脱走。発信機チップを撃ち込んであるため、追跡は可能であると判断。零課副長権限を行使し、シャーリーンの針路変更を指示。ブリッジ!」

『ブリッジ了解! 針路指示願います!』

発信機からの信号を展開したモニターで確認する。現在シャーリーンは第25管理外世界ヴォルキスの衛星軌道上で停泊している。そこから発信機の信号をたどり、「第52無人世界トライキスへ!」と指示を出す。

『了解!』

「特騎隊全騎。エントランストランスポートへ集合。シャル、起きているか?」

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