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僕はそう考えています。」
「…。」
それを聞いて明日奈のお母さんは黙り込んでしまった。そこへコーヒーが届く。
僕はそのコーヒーが届いてからまた話を進める。
「明日奈さんも言っていました。『自分のやりたい事を見つけたい』って。
…それを出来るのは今の学校が一番だと思いますよ。」
僕はそう言ってもう一口紅茶を飲む。
「…僕の言うことは子供の戯言として流してもらって結構です。
…ただ。明日奈の話は聞いてあげて下さい。お願いします。」
僕はそう言って頭を下げ、自分の伝票を持って席を立つ。
テーブルから離れる途中。明日奈のお母さんはボソッと一言呟いた。
「…すごいわね。雪宮君は。」
僕はその言葉を聞くと。くるっと回って明日奈のお母さんに笑いかける。
「僕は…凄くありません。僕は夢を決めてしまいましたから。
…だけど明日奈さんは決めてない。道はたくさんありますから。」
そう僕は明日奈のお母さんに話すと。今度こそ伝票を持ってテーブルを後にした。
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僕はそのまま家に帰り、部屋着に着替えるとアミュスフィアを被る。
…僕の大切な人と会う約束を仮想空間でしているからだ。
「…リンクスタート。」
ALOにログインすると僕はいつもの大きな樹のところに行き、枝に腰掛ける。
「スノー。」
「シノン。」
すると今日きたのはシノンだった。シノンはその容姿のネコの如く素早く樹を登り、僕の隣に腰掛ける。
「ふふっ。」
「何笑ってるの?」
するとシノンは僕の顔をみてニコッと笑ってきた。…なんでだ?
「なんか。良いことあったの?」
「…良い事はないけど。ただ僕は考えさせられただけ。」
僕はストレージからシャボン玉を取り出し、それをフー。と吹く。シャボン玉は綺麗に樹の上の方に行き、綺麗に樹を彩る。
「ねえ?シノンは…詩乃は僕が転校してきて嬉しかった?」
「…?なんでそんな事を聞くの?」
「何と無く。」
僕はシャボン玉をさらに吹いて木の周りがどんどんシャボン玉だらけになる。ちなみにこのシャボン玉は僕の意思で割るのを止めることができる優れものである。
するとシノンは両手を樹の枝に掴んでシャボン玉を遠い目で見ながら話す。
「私は…もちろん嬉しかったわよ。純粋に好きな人が同じ学校は嬉しいし。それに…。」
「それに?」
僕はシャボン玉を吹
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