第五章
[8]前話
「違うか」
「では、ですか」
「これからもですか」
「戦争をせずにですか」
「軍隊を訓練していきますか」
「そして内政をしてな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「国をさらに富ます」
「人口も増やす」
「そうしていきますか」
「そうする、後は息子がいる」
後継者である彼がというのだ。
「フリードリヒがな、ようやくあいつもわかってきた」
「殿下もですか」
「陛下のされることは」
「そうなられましたか」
「では後は託そう、内政に励んで軍隊は整えても使わず」
それこそがというのだ。
「最上だ、もっともどうしても戦争をしなくてはならない時もあろう」
「はい、幸い我が国は避けられましたが」
「それでもですね」
「どうしてもそうした時もありますね」
「国家には」
「その時はその戦争だけをして目的を果たせばそれでだ」
まさにというのだ。
「終わりとすべきだ、軍隊を失うよりはな」
「そのままでいい」
「折角鍛えた兵達を失うのはよくない」
「だから無闇な戦争はされないのですね」
「そういうことだ、それが余の考えだ」
王は廷臣達に誇らしげに笑って話した、だが。
そのすぐ後で不始末をした小姓を杖で殴り飛ばした、それでいて政治は節約と内政そして軍隊の整備に邁進していった。
兵隊王フリードリヒ=ヴィルヘルム一世はやたら人を杖で殴り吝嗇で横暴な人物であった、だがそれでもその彼の政策によってプロイセンは豊かになり人口は増え強大な軍隊を持つ様になった。これはという行いもあったがそれでも彼が残したものは大きかった。軍隊を揃えることを愛し戦争は好まなかった王だからこそそうなった。それは歴史にある通りである。
巨人兵 完
2020・4・19
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