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巨人兵
第一章
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                巨人兵
 プロイセン王フリードリヒ=ヴィルヘルム一世は穏やかな顔立ちである、しかし人を顔で判断してはいけないことはこの人物についても同じだった。 
 プロイセンの者達は王を見るとすぐに逃げ出した、王はその様子を見て周りにいる者達に対して怒って問うた。
「民達は何故余を見て逃げる」
「あの、それはです」
「申し上げても宜しいでしょうか」
「そうしても」
「よい、申せ」
 王は彼等の発言を許した。
「何でもな」
「はい、実はです」
「陛下が民達の働きを視察されますが」
「今もそうされていますが」  
 ある街にわざわざ来て視察している、王は民達が常に自分が言った通りに働いているのか見ているのだ。
 そしてその王に彼等は言うのだった。
「その時に怠けておられるとです」
「すぐに民達を怒られますね」
「持たれている杖で殴られますね」
「そうされていますね」
「何っ、それの何処が悪い」
 王はその言葉を聞いて早速怒った、そのうえでこう言った。
「働いていない者を怒ってだ」
「あの、ですから」
「そこで殴られるからです」
「それで民達が怯えているのです」
「王が殴られるから」
「許さん!」
 王は早速だった、逃げ遅れた民を追い掛け。
 杖で殴ってからその民に言った。
「そなた達は自分達の王を好きになるのだ!」
「ひえーーーーーーっ!」
「そなた達そしてプロイセンの為だからな!」
 こう言って怒る、だが。
 誰もがそんな王を恐れていた、こうした王であった。
 王はとにかく民を働かせ尚且つ軍隊の整備に余念がなかった、それで軍隊を多く集めていたがその彼等は。
 日々厳しい訓練を受けていた、ここでもだった。
 王は自ら視察していた、そして厳しい訓練を施しており銃声が完全に一つになるまでさせていた。その中でも。
 王は背の高い兵を好んだ、王は将軍達に強い声で言った。
「よいか、あらゆる手段を使ってもだ」
「背の高い者を兵にする」
「そうせよと言われますか」
「その様にしろといいますか」
「そうだ、どの様なことをしてもだ」
 まさにというのだ。
「背の高い者をプロイセン軍に入れるのだ、そうだ」
「そうだ?」
「そうだといいますと」
「イギリスの話を聞いた」 
 王はここでこの国の名前を出した。
「あの国は海軍が強いな」
「はい、あの国は海軍の国ですね」
「オランダもそうですが」
「陸軍も中々ですが」
「やはり海軍の国です」
「そうだ、その海軍の兵の集め方だが」
 それのことを言うのだった。
「非常によい集め方をしておる」
「あの、陛下」
 将軍の一人が王の今の笑みを浮かべての言葉にすぐに言った。
「あの海軍の兵の集め方だが」
「素晴
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