第七十話 天空人
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けれど、まさしくこの洞窟はそのアトラクションの世界だった。
「徒歩よりもあの乗り物を使った方が目的地には早くたどり着けるだろう」
「問題はどうやって操作するかですな」
ピエールの言う通り、トロッコは何らかの規則性があって動いてるみたいだけど私達にはその把握ができないし、何を持って動いているか不明な以上利用する事も出来ない。
「とりあえず周辺を探索しましょう。そうすればトロッコの制御法がわかるかもしれない」
「よし、それで行こう」
洞窟内は明るかったから探索には困らなかった。
魔力の流れから察するに明かりがこの洞窟には設置されているし、トロッコの存在から元々この洞窟は人工的に造られた事は明白だった。
ただこれまで類似の技術を外部で一度も見かけなかった事からここにあるものはオーパーツの類だろう。
「先生、魔物の気配がします。それもたくさん」
「場所は?」
「あっちに」
タバサが指した方向を見ると、沢山の魔物が何かを取り囲んでいた。
よく見ると魔物達が取り囲んでいたのは1人の男性だ。
「助けなきゃ!」
「待ちなさい」
慌てて剣を抜こうとするレックスを静止する。
「ここであなたが剣を抜いたところであの人は助けられないわ。まずは魔物の動きを迅速に止める必要がある」
私は振り返ってタバサを見た。
「タバサ、ラリホーマを魔物の群れに」
「はい、先生」
タバサがラリホーマを発動するのと同時に、私もメダパニとマヌーサを魔物の群れにかける。
魔物の群れ全ての動きが麻痺したのを見計らって私達は一気に男性の元へと駆け出した。
「大丈夫ですか、すぐにこちらに!」
「はい、ありがとうございます!」
男性の腕を引っ張り出し、魔物達との距離を充分に取った事を確認してから魔物達の処理に入る。
「バギクロス!」
「ライデイン!」
「ベギラゴン!」
アベル、レックス、タバサの魔法がそれぞれ一気に魔物の群れに襲い掛かりあっという間に殲滅する。
状態異常魔法で行動が低下していたところに上級魔法を3つも同時に叩きこまれた魔物はなす術もなく倒されるだけだった。
「いやー、死ぬかと思いましたが何とか助かりました。本当にありがとうございます」
男性はこの洞窟には不自然で、挙げられる特徴と言えばかけている眼鏡しかない、どこにでもいそうな中年男性だった。
「申し遅れました、私はプサン。信じられないかもしれませんが、私天空人なんですよ」
「……………………」
私達はしばらく互いの顔を見合わす。
そして。
「ええええええええええええ??」
余りにも信じ難い事実に驚愕する事しかできなかった。
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