番外編「MS学園文化祭」
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捜索そっちのけで文化祭を楽しんでいる三人のアホ部下に怒りをあらわにしていた。
「貴様ら! 探す気があるのか!?」
「だってぇ〜最近忙しすぎてお休み取れないうえにお肌が荒れ荒れなんだしさぁ〜少しは息抜きぐらいいいじゃない少佐?」
キャラは相変わらずだが、他の二人はとっさに手に持っているものを後ろに隠した。
「何故――何故私にこんな不真面目な部下共が押し付けられたんだ! 私はソロモンの悪夢なんだぞ!? ソロモンの悪夢とISから恐れられたこの私が! なぜこんな仕打ちにを……」
ここにきて何度目かの絶望をするガトーだが、
「んもう! そんな不貞腐れたりしていると良い男前が台無しだよ? 少佐!」
そういうと、彼女はガトーの口へタコ焼きを突っ込んだ。
「んぐっ!? な、何をするキャラ・スーン……うまいッ」
口の中で広がるタコ焼きの美味にガトーは一瞬思考停止に陥った。
そんな彼の口元がフッと緩んだのだ。
「あはっ! やっと笑ったね少佐」
「キャラ……」
「あんた、こっち(アクシズ)へ来てから全然笑ってなくて、むしろお堅い上に怒ってばっかだったじゃないか。笑う人かなってあたしらは少し心配だったんだよ。それでも、ソロモンの悪夢も笑うときは笑ってくれるんだね!」
そう、人懐っこい笑みを浮かべるキャラに続いてマシュマーやゴットンも微笑んだ。
「お前たち……」
「ほらほら少佐、そうときまれば行くよッ!」
そういって、キャラはガトーの手を引くと、共にこの出店のエリアを駆けていった。
「お、こら――」
戸惑うガトーに続いて、マシュマーとゴットンも続く。
華やかな学園祭の飾りを見渡しながら、キャラに手を引かれてガトーは校舎の無いかへと入っていく。
――学校か……
そういえば、士官学校時代に連邦の士官学生と触れ合う共同合宿をした覚えがあったな。そこのジオン連邦のMS模擬戦トーナメントで彼と……コウ・ウラキとMS整備科訓練生の二ナ・パープルトンと出会った。
あの後から、奇妙な三角関係が生まれたな――そのあと、ウラキとは何度も良きライバルとしてMSの模擬戦で渡り合った。ウラキは序盤、私に連敗を喫するばかりであったが、徐々に腕を上げていき、ついには相打ちへと持ち込んできた。そんな彼の男気に負けた私は彼にニナを譲った。そして、私は心を鬼としたジオン軍人の道を進むべく、ニナから手を引くために彼女へ最後の別れを告げた。
そのとき、偶然近くで祭りが始まっていたな。最後に彼女との思いでにそこで幾つも屋台を巡ったものだ。そんな中、彼女ははしゃぎながら私の手を引いて、こうして縁日の中を駆けまわったものだよ……
キャラに手を引かれて行くこの光景が、あの時の思い出を思い出させてしまったな……嗚呼、今彼女二ナ・パープ
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