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何と言っているのか
第三章

[8]前話
 里親を申し込む人が飛躍的に増えて猫達は次々に貰われていった、猫達はどんどん保護するがその猫達がだ。
 里親としてもらわれていく、その状況を見て大輝は栞奈に言った。
「いや、前よりもね」
「よくなったのね」
「遥かにね」
 こう彼女に話した。
「里親になってくれる人増えたよ」
「よかったわね」
「このネックレスのお陰で」
 首にあるそれを見つつ栞奈に話した。
「猫の言葉がわかる様になって」
「それでよね」
「うん」
 まさにというのだ。
「今の状況になったよ」
「おう、それはいいけれどな」
「私達の飯忘れないでね」
「わかってるな、下僕三号」
「あんたは私達のご飯担当の召使なのよ」
 大輝は今栞奈を自分の家に呼んで話している、首飾りを貰ったことを機に二人は親密になり交際する様になったのだ。
 そこでシャム猫と茶のトラ猫、黒猫、灰色の猫が大輝の傍から言ってきたのだ、それぞれまるこ、ゆかな、ともゆき、まっとと名付けている。一家全員が猫好きで彼等を見てボランティアにも参加したのだ。
 その彼等がだ、自分達の言葉がわかる大輝に行ってきたのだ。
「もう時間よ」
「早く食わせろよ」
「水も忘れないでね」
「たっぷり寄越せよ」
「ったく、何て言ってるのかわかったら」
 大輝は猫達の言葉を聞いてやれやれとした顔で言った。
「文句とか催促ばかりだな」
「それが猫なんだよ」
「そうした生きものよ」
「飯の後はブラッシングしろよ」
「トイレも処理してね」
「ったく、今からご飯あげるか」
 大輝は口調もやれやれとなっていた、その彼に。
 栞奈は笑ってこう言った。
「けれどそれがいいでしょ」
「猫は我儘でないとね」
 実際に大輝はこう返した。
「やっぱり」
「そうよね」
「だからこれもね」
 我儘でもというのだ。
「いいよ」
「そうよね」
「じゃあね」
「今からこの子達にご飯あげるのね」
「そうするよ、ちょっと待っててね」 
 大輝は今座っているソファーから立ち上がった、そうして彼等にご飯と水をあげた。そうしてから栞奈とまた猫の話をした。


何と言っているのか   完


                 2020・8・28
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