始まりから夏休みまで
自分の名前を明かす話
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た。ではこちらはいかがでしょうか?」
お栄ちゃんがなんとか対応してくれた、
するとお栄ちゃんは何枚かの服を持って店員さんと共に試着室へ…。
待って、ひとりにしないで…!
「お客様、何かお探しですか?」
「あ、いえ…その…。」
こうなるから。
それから数十分後…。
「遅いなぁ。」
女の子の着替えというのはよくわからないけど、多分すごく時間がかかるものなんだろう。
でも、長くない?
とりあえず僕は話しかけられないよう、店員さんのいないところへ行ったりしてなんとか難を逃れている。
そして逃げ続けている時、ちょうど角を曲がった時だ。
「あいた!」
向こうから走ってきた人とぶつかってしまった。
「いったぁ…。」
思わず尻もちをつく僕、
するとすぐに手を差し伸べられ
「大丈夫?ごめんね?」
顔を上げれば女性がいた、
そうか、この人がぶつかって来たのか。
「ご、ごめんなさい。」
「なんで謝るのさ、謝るのはぶつかっちゃったボクの方だよ。」
と、この辺りでは珍しいピンク色の髪をした女性は僕の手を取り、楽々と引っ張って起こす。
見た目の割にはすごい力だった。
「…。」
「…え、なんですか?」
僕を起こすと、女性は何やら僕をじーっと見つめる。
にしてもこの子…どこかで見たことあるような…。
「あ、あの…あなた…」
「あ、ごめんねボーッとしてて。一瞬キミが男か女か分かんなくってさ!」
「あ、男…です。よく間違えられます…。」
後ろでまとめられたピンクの髪、覗く八重歯。
どこかであった訳じゃない。
ただ僕は…この子を何かで見たことがある気がする…。
「うーんそっか。じゃあキミとボクは仲間だ!」
「な、仲間…どうして?」
「ボクも男なんだけどよく間違えられるんだよね!」
え…?
男?
どこからどう見ても…女の子なのに…?
「触ってみる?ほら!」
「え…。」
そういって手を引っ張られ、股間に無理矢理触らせる。
傍から見ればこの人、変質者だ、
「ほ、ほんと…だ…。」
「キミも…男の子だね!」
「っ!!」
お返しだと言わんばかりに彼も僕の股間を触る。
なんだこれ
なんだこれ…?
「これでおあいこ!」
触らせたのはそっちなのに…。
「じゃあマスターが呼んでるからそろそろ行かなくちゃ!またね!」
「え…。」
といい、どこかへと走り去る女みたいな男の子。
え、待って。
今あの子…マスターって…。
「なーにぼーっとしてんだい?」
「わっ!?」
と、入れ替わりに後ろからお栄ちゃんがやってきた。
振り向くと着替えを終えた彼女の晴れやかな姿。
「着替え…
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