第百六十八話 美濃入りその十一
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「巨人共はな」
「左様ですね」
「何処かにあいつ等の世界があり」
「そこからこの世界に来ていますね」
「そうした連中だ、この世界にも生態系があり」
そしてというのだ。
「魔物も獣もその中にいるが」
「それでもですね」
「巨人はどう見てもだ」
「その中にはありませんね」
「文明を築いても生態系の中からは出られない」
生物のそれからはとだ、英雄は言った。
「人間でもな」
「そうぜよ、人も生きものでじゃ」
当季も言ってきた。
「それでじゃ」
「ものを食っているからな」
「生態系の中からはぜよ」
「出られないな」
「人間は文明を築いちょるが」
それでもというのだ。
「その文明も人間も自然の一部ぜよ」
「そうだ、だが巨人共はどうか」
「そこが違うぜよ」
「しかも今出た巨人共は雷を身体に宿し身体が青かった」
「雷巨人、サンダージャイアントじゃのう」
「飛騨で見た者はいるか」
後で調べさせるとはじめて出た巨人達だった、飛騨において。
「果たして」
「そう考えるとのう」
「やはりおかしい」
「そうじゃな」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「考えれば考える程な」
「巨人は面妖な存在ぜよ」
「災害や疫病を驚異だとも考えられるが」
「巨人がじゃな」
「この世界を脅かす脅威としてだ」
「第一に考えれるぜよ」
「そうだ」
まさにとだ、英雄は当季に答えた。
「そうなる」
「そうじゃのう」
「色々考えるが」
「やっぱり巨人ぜよ」
「あの連中こそがな」
「脅威となると筆頭候補ぜよ」
「そうだな、だから連中を第一に警戒しつつな」
英雄はさらに話した。
「この世界を脅かすものは何か」
「調べていくことじゃな」
「そうしていくべきだな」
「幸い伊勢の神託も時が来れば授かる様ですし」
謙二はこのことを話した。
「その時が来るのを待ってもです」
「いいな」
「竣刻限とも因果律ともいいますが」
「来るべき時が来ればな」
「わかることもありますので」
だからだというのだ。
「ですから」
「そのうえでだな」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「調べていくことだ」
「それがいいですね」
「時が来ることを待つこともいいが」
「貴方のご気質としては」
「待っているよりもな」
「動かれますね」
「このことはそうした方がいいと考える」
これが英雄の判断だ、彼はこのことは調べることであるのでそうしてもいいと考えて決めたのである。
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