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黄金バット第三十四話 メンインブラック和歌山城の攻防
第二章
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「メンインブラック!?」
「間違いないぞ」
「黄金バットの次はあいつか」
「あいつが出て来たんだ」
皆その彼を見て言いました。
「となると」
「今のお水はまさか」
「メンインブラックの力か」
「突如大雨を降らして和歌山市を水浸しにしてその中に沈めるつもりだったが」
メンインブラックは自分の前に立つ黄金バットを見据えて自分が何をしようとしていたのかを言いました。
「まさか先にここに来て私の雨をステッキで受け止めて防ぐとはな」
「・・・・・・・・・」
「流石黄金バットだ」
その黄金バットに言います、黄金バットは何も言いませんがそれでも彼に言うのでした。
「見事、だが私もそれだけで終わりはしない」
「・・・・・・・・・」
「次は私が相手をしよう」
メンインブラックはこう言うとでした、右手にです。
剣を出しました、そうしてです。
黄金バットに向かいました、黄金バットもステッキの先の尖った方をフェシングの様に持ってです。
和歌山城の天主閣上空で激しい一騎打ちに入りました、王銀バットもメンインブラックもお互いに一歩も譲らず一騎打ちは五分と五分の勝負を続けました。ですが。
夜が更けて明け方近くになり空が白くなってくるとでした。メンインブラックは忌々し気に言いました。
「これ以上闘っても意味がない、今回も貴様の勝ちにしておこう」
「・・・・・・・・・」
「雨は止められて一騎打ちもこの通りだ、忌々しいが敗北を認める」
何も語らない黄金バットに言うのでした。
「だが次こそは必ず私が勝つ」
「・・・・・・・・・」
「その時までさらばだ」
最後にこう言ってでした、メンインブラックは影が光を受けた時の様に姿を消しました。そうしてでした。
黄金バットはメンインブラックが姿を消すとそれを見届けたかの様に昇りはじめた朝日に向かって飛び立ちました。和歌山城の闘いはこれで終わりました。
闘いが終わってからです、人々は言いました。
「そういうことか」
「黄金バットはメンインブラックが和歌山で大雨を降らせることを事前に察していたんだ」
「それで待っていたんだ」
「それでお昼から和歌山城にいたんだ」
「大雨が来ることを」
「そういうことだったんだな」
「何でいるのかと思っていたら」
しみじみとして思い言うのでした。
「成程な」
「魔人の行動を今回は先に読んだんだな」
「そんなことが出来るなんてな」
「流石黄金バットだ」
「今回も黄金バットに助けられたな」
「本当によかったよ」
「皆で黄金バットに感謝をしよう」
市長さんも言ってでした、そうしてです。
皆で黄金バットに感謝の言葉を贈りました、人々を助けてくれた素晴らしいヒーローに対して。
黄金バット第三十四話 完
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