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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?(第1幕)
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「おいおい……論点がズレてきてるぞ」
堪らず、この人妻の旦那が話の軌道修正をする。
この人妻の旦那をするのは大変だろうな。

「そうね……ちょっとズレちゃったわね。でもね、私苦手なのよねぇ……」
重労働のツッコミを親友に任せた所為か、ポピーは僕に視線を向けながら何かを訴えようとしてきた。
さて……僕に堪えられるだろうか?

「何が苦手なんだい?」
「母の胎内に居た時に、相方に人助けの精神を全て奪われちゃったの。人を困らせる事なら大得意なのになぁ」

旦那の問いに、人妻好きなら堪らないであろう可愛さで視線をねじ込んでくる。
それに釣られ、この室内の全員の視線が僕に突き刺さる。
絶対僕の所為では無いのに……

「……………」
僕は少しだけ笑みを作り、恭しく皆にお辞儀をしてみせた。
コレでも僕はウルフ君に鍛えられてるのだよ。

「「「ちっ」」」
全員、僕が狼狽えながら言い訳をするのを期待したのだろう。
綺麗にハモって舌打ちをする。

「……冗談は兎も角、我が国の事なのだし真剣に考えようか」
唯一純粋なラインハット人のコリンズが、真面な意見で場を仕切る。
傍から見てるとツッコミ役って重要だね。

「気に入らないわね……」
人を困らせる達人が、何やら不満を言い出した。
「面倒事って意味では、私も気に入らないけど……一体何が?」
その面倒事を我らに持ちかけた張本人が問う。

「こんなに面倒で重要な事に私たちが貴重な時間を費やしてるのに、あの若造がノホホンと参加してない事よ!」
「いや……あの若造はいいよぉ。絶対に協力しないし、逆にムカつく事を言ってくるだろうし」
固有名詞を言わなくても話が通じるって凄いな。

「言うほど時間を費やしてはいないが?」
「量ではなく質の事を言ってるの!」
今日は楽だ。全てコリンズが担ってくれる。

「ムカつく事は全世界が認めてるけど、あの若造は有能よ。どうせ口先だけで嫌味を言ってくる事しか出来ないのだから、存分に利用するべきよ! その方が早く終わりそうだし……」
あの若造と対等に口論できるポピーだから行き着く結論だな……最後に本音が漏れてるが。

「じゃぁここで雁首並べてても仕方ない……あの若造の所に行って相談しようじゃないか。でも相談を切り出すのはポピーに任せたい。我々じゃ太刀打ちできないからね……人を困らせる達人なら人を腹立たせる達人の若造くらい如何(どう)とでもなるだろ?」

「あら、私が達人なら向こうは名人よお兄ちゃま。勝てるか如何(どう)か(笑)」
「力量の差は人妻の魅力で乗り切ってくれ。……あぁ相談を持ちかけるのは明日の終業前にしよう。今から行くと残業してる他の職員達に多大な迷惑がかかるから」

「あら……達人の私からしたら最適な
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