第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「やっていこうな、人間の大人でもやることだしな」
「それはね」
妻も知っていることだった、このことは。
「酔ったりすればね」
「そうした人いるだろ」
「ええ」
「人間の大人だってやることだから」
それ故にというのだ。
「じっくりな」
「教えていきましょう」
「そうしような」
こう言ってだった。
夫婦でその粗相の処理をしてだった、アップルにあらためてトイレのことを繰り返した。そして雨の日しそうになればトイレまで抱き抱えて連れて行きその都度教え粗相をすれば自分達エンジニアの夫が仕事に出ている時は妻がしてだった。
その時もトイレをする場所を教えた、そうしたことを繰り返し暫くするとだった。
アップルはトイレのことを完全に覚えた、散歩の時に普通にする様になったが雨の時は自分からだった。
そこに行って用を足す様になった、それを見てだった。
娘の千歳、母親似で学校の勉強は出来るが体育は全くというそこは父親似の娘がアップルが雨の日家の中にある犬のトイレで用を足している彼女を見て両親に言った。
「アップルちゃんとおトイレしてるね」
「ああ、やっとな」
「覚えてくれたわ」
「暫く時間がかかったけれどな」
「覚えてくれたわ」
「よかったね」
小学生の娘はにこりと笑って応えた。
「ちゃんと覚えて」
「ああ、結構時間がかかったけれどな」
「そうなってくれたわ」
娘にはこう話した、だが。
二人になった時にだ、妻はふと夫にこんなことを言った。
「アップルは確かに時間がかかったけれど」
「ああ、結構な」
「考えてみればね」
こう夫に言うのだった。
「千歳の方がね」
「トイレ覚えるまでに時間かかったか」
「だって赤ちゃんで」
「はいはい覚えてな」
「何年かおむつだったでしょ」
「人間はそうだよな」
「何年もかかってるから」
生まれてから歩ける様になってトイレを覚えるまでというのだ。
「そう考えたらね」
「人間の方が大変か。僕も言ったけれど」
「ずっとね、犬の方が成長早いしね」
「覚えるのも早いな」
「人間の方が頭よくてもね」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「そういうことか」
「ええ、だから犬がトイレを中々覚えなくても」
「人間より覚えるのは早いな」
「ずっとね、だからあなたが言う通り怒らなくて」
アップルが粗相をしてもというのだ。
「よかったわね」
「そうだな、じゃあ他のこともな」
「色々教えていきましょう」
「丁寧に優しくな」
「そうしていきましょう」
「ああ、じっくりとな」
夫は妻の言葉に笑顔で応えた、そうして実際にだった。
アップルにじっくりと教えていった、二人はその時彼女を決して怒らなかった。そうして彼女を自分達の娘と同じ
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ