第一章
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犬のトイレ
藤波有三は妻の弥栄子に愛犬のアップル、キャバリアで白地で垂れた耳が茶色く背中にも茶色い模様がある雌の彼女を見つつ話した。
「散歩にも連れて行くけれどな」
「そこでおトイレをさせてもよね」
妻も言う、一六二センチくらいのすらりとしたスタイルで動きやすいティーシャツとズボンという恰好だ。髪の毛は黒髪を後ろで縛っている。おっとりした面長の顔立ちだ。
「雨だと出られないから」
「だからな」
それでとだ、夫は妻に話した。黒髪を上だけ伸ばしていてきりっとした目である。面長で頬は細い。背は一七三位で痩せていて青のズボンと白のティーシャツという恰好だ。
「今からトイレのことをな」
「教え込んでいくのね」
「そうしていこうか」
「ええ、本当に雨だとね」
妻も言った。
「お散歩に行けないから」
「レインコート着せて行けるけれどな」
「濡れるから」
「やっぱり行かない方がいいだろ」
「だからね」
「ああ、散歩に行けない時のことも考えて」
「おトイレのことも躾けていくのね」
そのアップルを見つつ言う。
「そうするのね」
「ああ、じゃあな」
「これからね」
夫の言葉に頷いてだった。
そのうえでアップルにトイレを教えていくことにした、早速犬用のトイレにシーツなどを用意してだった。
まずは夫がアップルに言った。
「アップル、家の中はここでトイレをしろよ」
「ワン？」
「ここでするんだぞ」
「ワン？」
アップルは首を右に傾げさせる、その仕草は可愛いがわかっていないことは晶かだった。それでだった。
実際に雨で出られないとだった。
アップルは何処でトイレをしていいかわからない、それでだった。
すぐだ、夫は彼女にトイレを指差して言った。
「あそこでしろよ」
「ワン？」
「あそこですればいいからな」
こう言う、しかし。
アップルは我慢する、それでだった。
大きい方をしそうになってだった、妻は急いで。
アップルをトイレの方に連れて行ってさせて言った。
「ここですればいいから」
「ワン・・・・・・」
「わかったわね」
「ワン・・・・・・？」
わかっていないことがわかる返事だった、そして。
この時はよかったが小を家のリビングでしてだった、夫は妻に言った。
「こうした時もな」
「厳しく怒らないことね」
「千歳にもそうだっただろ」
二人の娘で今は小学二年生の彼女にもというのだ。
「トイレ覚えるまでな」
「怒らなかったわね」
「だからな」
それでというのだ。
「厳しく怒らないでな」
「それでよね」
「教えていくんだ」
そうしていこうというのだ。
「ここは」
「人と同じね」
「犬もな、厳しく言ってもな
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